喉の痛みと鼻水の関係

 『正露丸糖衣錠』の携帯用を購入されるお客様に、『正露丸』から抗炎症の生薬を抜いたのが糖衣錠であることを説明したら、頼まれ物だとのこと。
 他に胃腸炎に使える『柴胡桂枝湯』などを携行するのであれは、腹下しの消毒薬として糖衣錠でも構わないと思うけど、他に携行する薬については分からないそうで、通常の『正露丸』の携帯用に変更された。
 頼んだ人も、『正露丸』と『正露丸糖衣錠』の違いは意識してないんだろうなぁ。
 まぁ、そこまで厳密に効果の違いがあるのかと問われれば、「分かりません」というのが正直なところですが。
 ただ、私としては『正露丸』が適応する機会が、現代の日本でそんなにあるのか疑問に思ったり。
 日持ちを良くするための食品添加物なんかを毒だの発ガン性物質だのと危険視する人は、食中毒の脅威を軽んじてて怖いが、そういう考え方が広まっても大丈夫な程度には、日本の食べ物の汚染状況は悪くないのかもとも思う次第。
 世界保健機関(WHO)の『国際ガン研究機関(IARC)』がソーセージやハムなどの加工肉について、発ガン性があると発表して話題になったけど(そしてすぐ忘れ去られたが)、添加物の一つである亜硝酸塩は、もともと岩塩に含まれていて、それが味と色合いを良くするために使われ、後にボツリヌス菌を抑制するということが分かり、現在でも使われ続けている。
 このことの面白い点は2つあって、一つは岩塩に含まれてるのだから、自然塩を使ったって含まれてる可能性があり、そこからすれば「自然塩も怖い」とならなきゃ変な事。
 もう一つは、ボツリヌス菌は嫌気性なため、真空パックにしたくらいでは防げず、気長にガンを怖がるよりもボツリヌス菌で死ぬ可能性のほうが高いと考えられる事。
 そして、そんな事を考え始めると止まらなくなるので、適当なところで終了しておくのが吉。
 そういうのを昔は「ファジー」と言ってたはずなんだけど、いつのまにか「イイカゲン」の代名詞になって廃れてしまったヽ( ´ー`)ノ

 やや高齢のお客様が、『スピール膏』を求めて来店。
 持参してきた物が古いパッケージで、『イボコロリ』などが同じ内容であることを説明したけど、納得してもらえなかった。
 病院には一度行ったきりで、患部を削られるだけだったため、それ以来は自分で削っているとのこと。
 そして、靴をオーダーメードするのも試されたそうで、今度は別な所にイボができてしまったそう。
 ただ、若い頃にラグビーで頚椎を傷め、若さゆえに無茶をして治療をしても治らず、それもまた放置状態だとか。
 それで歩き方が、足の一部に負担を掛けるようになってるんじゃないですかねぇ……。
 皮膚科の医師には頚椎の異常については話していなかったそうなので、そういう関係無さそうな話も医師には伝えるようにお話した。
 本日のところは、お買い上げは無し。

 喉の痛みと鼻水が同時に発症している相談を受けるのが、実は苦手な私。
 喉の痛みは炎症だから冷やすのが良いんだけど、鼻水は内臓の冷えが原因のことが多いから、どう攻めるかで悩む。
 まぁ、両方の効能がある現代薬を勧めれば楽なんですが。
 でもそれだと、症状を抑えてピタリと止まっても、炎症を起こしている原因と内蔵が冷えていること自体は解決できなかったり、副作用で体内が乾燥して咳が残るなんてことがあるから、個人的には勧めにくい。
 特に、喉の炎症の原因が、まさに内臓の冷えが原因という事もあるので。
 どういう事かといえば、人間の体は基本的に外部からの敵を倒すのも、傷ついた部位を治すのにも、患部を炎症させて熱を起こすという同じ方法を取る。
 それは、菌やウイルスを抑制したり倒したりするのに熱が必要で、傷ついた部位に修復する材料を運ぶため血行を良くするのにも温かいのが都合良く、免疫力もまた体温が高いほうが活性化するから。
 つまり、患部が炎症を起こすのは熱を出したい理由があるからで、内臓が冷えていれば、なおさら体の方としては熱を出そうと頑張り、結果として炎症している患部は、より炎症してしまうという次第。
 だから、喉の痛みが強くなければ喉については放置して、先に内蔵を温めてしまえば鼻水が治まり、そのついでに喉の痛みも治ってしまうという方針もありえる。
 ただ、それを納得してもらうのは難しい。
 苦しい症状を、手早く抑えたいというのは自分が患者でも思うので。
 なので、喉の痛みを先に抑えるとなれば、その後か同時に体を温めなければならない。
 その体を温めるのを、漢方薬に担わせるか、飲食や入浴に服装といった複合的なことでフォローするかというのが、患者さん自身の選択になるので、その辺りの提案の仕方にまた悩むのだ。
 しかも、ドラッグストアーには本人が来なくて、家族などからの伝聞で、本人の症状を把握していないケースが多いから、なおさら難しい。
 ……前置きが長くなったけど、その喉の痛みと鼻水が一緒に発症しているという相談を、お客様から受けた。
 昨日からで、鼻水は透明なサラサラだそうだから、鼻水は寒さのためと考えられることを説明した。
 そのうえで、喉の痛みには『ペラックT』か『駆風解毒湯』をと案内し、鼻水については体を温めるために温かい物を飲食して、入浴するよう勧めた。
 また、いつも風邪が喉からくるというお話だったけど、胃炎を喉の痛みと感じて、胃の不調により抵抗力の低下を招いて風邪に進んでいる可能性を伝えると、胃は弱いとの事だった。
 胃には少し負担が掛かる方法だけど、初期の喉の痛みと鼻水なら、上半身を温めて熱を発散する『葛根湯』で対処できることを説明した。
 すると『ペラックT』を購入され、「訊いてみるもんだねー(゚∀゚)」との言葉を頂いた。
 そう言ってもらえると、ホッとしますε-(´∀`*)

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