親の選択を子供本人のものとして良いものか

 『ヘパリーゼ』を見ていたお客様に声を掛けてみたところ、二日酔い対策の物を探してるというので、胃のムカつきに適応する『ソルマック』と、頭痛などを伴う脱水症状に適応する『五苓黄解』を紹介した。
 でも、今回は見に来ただけと、購入には至らず。
 事前の二日酔い対策には、最初にビールといった冷たい物から飲み始めるのを避け、温かいお茶などを飲んで胃に準備体操をさせるよう勧めた。
 これは、アルコール摂取による脱水症状を防ぐのにも役立つ。
 また、飲み会なんかでは刺身のツマの大根や、揚げ物の付け合せのキャベツを食べておくようにとお話した。
 下手な役者を「当たらない」から「大根役者」と呼ぶという俗説があるように、大根は消化を助けるし、キャベツは『キャベジン』自体がアピールしているように胃腸の粘膜を修復してくれるんである。

 別なお客様から、二日酔い対策に『ヘパリーゼ』の効果について尋ねられた。
 肝臓分解物を原料にしていることを前面に押し出して宣伝している『ヘパリーゼ』ではあるけど、その実、効能として認められているのは疲労回復であることを説明。
 そして二日酔いは、肝臓がアルコールの代謝が追いつかないというよりは、脱水症状と上半身に熱が滞留するのが直接的な原因なため、『五苓黄解』の方が向いている。
 代謝機能を高めるという観点で言うのならと、『ハイチオールC+』といったシミ・ソバカスに使う皮膚ケアのビタミン剤も役に立つことを紹介した。
 あと、『ヘパリーゼ』で肝臓を助けようと思うのなら、効能に「肝臓疾患」と明記されている『ネオレバルミン』の方が断然お勧め。
 本日は、『五苓黄解』をお買い上げ頂いた。

 高校生の娘さんを連れてお客様が来店し、娘さんの首の後に急に発疹が現れたと相談された。
 当初は痒みが強かったものの、今はそれほどではないそう。
 しかし患部を見せてもらうと、赤みが濃く爛れているように見えるため、病院の受診を勧めた。
 しかし、3日後から修学旅行があり様子を見たいという。
 ううん、それこそ今日中にでも病院で診てもらった方が良いと思うんだけどなぁ……。
 なのに、仕方なくステロイド剤を案内したら、例によってステロイド剤だからと警戒された。
 現在では皮膚炎には最初に強い薬を使って、症状に合わせて段階的に弱い薬に換えていくという手法が主流なことを説明したうえで、ステロイド剤としては弱めの『ロコイダンクリーム』を勧めると、今度は肌が弱いことを心配された。
 そのことを心配するのであれば、この発疹の方こそを心配して受診して欲しいんですが(;´Д`)
 肌が弱いからといって弱い薬で大丈夫ということが無いように、強い薬に必ずしも肌が敏感に反応するとも限らず、相性によることをお話して、とりあえず『ロコイダンクリーム』を試して頂くことになった。
 そして、お会計の段になって、寒冷蕁麻疹なのか寒暖差アレルギーなのか、太ももにも湿疹が現れるというお話が出たため、内服薬として『十味敗毒湯』を紹介した。
 とりあえず、今回は『ロコイダンクリーム』のみで様子を見てみるということに。
 しかしなんだね、お客様が、どういう優先順位を付けているのかを推し量るのは難しいですな。
 しかも、親子連れの場合は、どうしたって親のほうが主導権を取ってしまい、その希望が本当に本人のものなのかも分らない。
 大事な修学旅行の前に病院に行っておくというのは、本人の後学のためにもなると思うんだけどね。
 これから進学したり就職したりするとして、「病院は後で」と学習してしまうとマズイんじゃないかと。

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