東南アジア系と思われる、外国人のお客様が二人組で来店。
患者さん本人は全く日本語が出来ないらしく、同行している人に通訳してもらったところでは、どうやら皹(あかぎれ)らしく、指先が数ヶ所割れていた。
通訳の人の話では、手荒れのクリームをという事だったけど、これは『ヒビケア』でいったん治してから、『ワセリン』で保護したほうが良いと伝えた。
ただ、うちのお店に置いてある局方の『ワセリン』は、小瓶と大瓶の極端な物しかなくて、医薬部外品の物は価格が高めになってしまい、患者さん本人が躊躇してしまったため、アロエエキス入りの『メンターム アロバ 薬用スキンクリーム』を紹介してみたら、『ヒビケア』と一緒に購入して頂けた。
住んでいる所にはお風呂が無くシャワーのみだそうなので、首の後や脇の下といった、皮膚が薄くて太い血管をある部位にシャワーを浴びて血の流れを良くするよう、通訳の人を通じて説明した。
『麻黄湯』の液剤を購入されるお客様に発熱の有無を確認したところ、ご主人から「液剤の風邪薬を」と頼まれてきたという。
しかし、ご主人の症状については把握してきていなかったらしく、パッケージに「風邪の初期」と書いてあることから選ばれたそう。
ううむ、麻黄の効果で体感的にはシャキッとするかもしれませんが、悪寒の有無や発熱などの経過観察をして、発熱前なら『葛根湯』を使い、発熱して汗をかくようになったら『柴胡桂枝湯』に乗り換えることも検討するよう、ご主人に伝えておいてくださいな。
そう説明して、そのまま『麻黄湯』をお買い上げ頂いた。
せめて頼む方も自分の状態を伝えておいて欲しいし、頼まれる方も症状を確認してから来てもらいたいところ(;´д`)
『パブロンSα』をレジに持ってきたお客様に症状を尋ねてみると、成人の息子さんに「風邪薬を」と頼まれたという。
嫌な予感しかしないなぁ(^_^;)
一応は、喉の痛みと鼻水が主訴であるらしいことは分かった。
でも、鼻水の状態は確認してきていないそう。
万能な鑑別法じゃないけど、鼻水に色が付いているか、あるいは白っぽくて粘り気があるか、それともツーッと垂れてくる透明かというのは、風邪かどうかを見分けるのに重要なので、ぜひ鼻水の状態の確認は意識してもらいたいところ。
透明で、本当に水みたいな鼻水なら、これからの季節では単純に冷えのせいと考えられ、風邪薬なんか飲まなくても体を積極的に温めてしまえば回復には充分。
喉の痛みの方も、冷えた体を温めようと体が頑張ってしまい、これまた単純に温かい空気は上に昇るから上半身が乾燥してしまったか、胃炎になっていて直通している食道や近くの気管支が、トバッチリで炎症している可能性が高い。
その場合は、お風呂に入ったり温かい物を飲んだり、腹巻きでもして体を温めれば、体の方も頑張って熱を出す必要が無くなり、炎症が治まる。
もし、冷えによる鼻水とは別に、外敵と戦ったりするための扁桃腺炎なら、喉の痛みだけに薬を使い、風邪薬を処理するための体力の低下を防ぐほうが、年末に向けて休みにくい状況では良いだろう。
そんな話をしてみると、お客様自身は体がだるい時には『葛根湯』を使うそうな。
上半身を温める『葛根湯』は喉の痛みには向かないが、ごく初期の段階なら炎症の熱を発散する効果はあり、冷えによる鼻水にも当然効くから、今の段階なら充分行けるはず。
そう思ったら、息子さんは粉を嫌がり、家にある『葛根湯』は飲まないそう。
好き嫌いはしょうがないけど、その好き嫌いは症状の苦しさと天秤に掛けて、せっかく手元にある物を活用する機会を失っても良いものなのか。
ひとまず今回は、そのまま『パブロンSα』をお買い上げ頂いた。
咳も痰も発熱も無いようなら、無駄だと思うんだけどねぇ。
いや、お金のことだけどしゃなくて、取り込んだ後に処理するために働かされる体のほうが。
体としては、冷えた体を温める方にエネルギーを回したいはずで、余計な物の処理にエネルギーを持っていかれたら、疲労して本当に風邪をひいてしまいかねない。
『葛根湯』なら、栄養剤も兼ねてるような処方内容だから、あるなら活用したほうが、財布にも体にも優しいのに。
でもそういう話は、頼まれて来た人に説明しても伝えきれない。
体調不良で動けなかったり、時間的に無理でなければ、人に頼まず来店してくださいませm(_ _)m