『のどぬ~るスプレー』をレジに持ってこられたお客様に症状を尋ねてみたら、病院で『イブプロフェン』と『トラネキサム酸』が処方されていると分かった。
しかし、効果を感じられなくて『のどぬ~るスプレー』を買いにいらしたらしい。
いや、その処方で効果が無ければ、『のどぬ~るスプレー』は買うだけ無駄になると思いますよ(^_^;)
処方箋を受け付けた薬局に相談するよう勧めたうえで、風邪で体内が乾燥しているのが原因かもしれず、『麦門冬湯』を紹介しておいた。
ううん、一度処方された薬を受け取っちゃうと、担当した医師や処方してもらった薬局に、薬が効かった事を言うのを遠慮しちゃうのかな。
それとも、単に面倒なだけなのか。
その辺の心理も分かるようにならないと駄目なんだろうけど、どうもそういう面が理解できなくて、自分の職能の方に自信が持てなくなる。
しかもこの場合、ソッチが当てにならないからコッチを頼ってじゃなくて、自分の判断で別な薬を買おうという訳で、どうして、より効果が期待できない、あるいは危険な方へと行こうとするのか。
道に迷ったら、来た道を戻るか、その場に留まって救助を待つのが基本姿勢だと思うんですが。
二十代後半の男性が『オロナイン軟膏』を求めて来店したので用途を尋ねると、ニキビの治療に人から勧められたという。
不勉強で知らなかったのだけれど、後で調べたら「オロナインでニキビを1日で治す」というのが『Twitter』なんかで話題になってるようで。
ネットで検索してみると、ちょっと無責任なんじゃないかと思える記事が出てくる出てくる。
一応は嘘ではないものの、一~二行程度で「赤ニキビのみに効果」と注意書きがあっても、おそらく読み飛ばされてるだろうなという印象。
『オロナイン軟膏』の効能は「殺菌」と「保湿」で、ニキビを「治す」というのは、過大評価だと思う。
しかも、今回のお客様の場合、『PAIRクリーム』を使ってみて効かなかったというから、なおさら期待できない。
詳しく病歴を訊いてみると、ニキビは中学生頃からで高校時代に少し落ち着き、二十代になってまた赤味の強いニキビが口から頬にかけて増えた模様。
そして食生活を確認すると、見た目痩せているにもかかわらず、体重をセーブするために量を抑えて、サプリメントで栄養を補っているという。
どうやら、ニキビの原因の一つに脂質が挙げられる事からの対応のようだけど、栄養の偏りが一因のように思えてならない。
皮膚の再生力は落ちているところへ、熱が上半身に偏在して炎症を促しているのではないか。
好き嫌いは無いそうなので、サプリメントで補うのは、明らかに自分が積極的に摂らない食材に関する物に限定して、食事の改善を提案した。
そして、お話を聞いている過程で、勧めてくれた人は女性だと分かり、勧めた人のメンツを潰す訳にもいかず、とりあえず『オロナイン軟膏』は求められるままに販売。
一方で、うちのお店には置いて無いが、服用薬の『清上防風湯』と『排膿散及湯』を紹介しておいた。
ニキビに限った話じゃないけど、「短期間」や「○○だけ」と使用する物を限定するのは、大抵の場合、良い事ないです。