お客様から、『リングルアイビー』と『ドキシン錠』の比較について質問され、逆に用途を尋ねると椎間板ヘルニアと診断されていて、でも鎮痛剤が処方されていないため市販薬を探しにきしたそう。
そして、以前に『リングルアイビー』を使ったことがあり、少しは効いたとのこと。
となると『ドキシン錠』は、鎮痛剤というよりは筋弛緩剤で、筋肉をほぐして血流を促すための物なので、椎間板ヘルニアに有効であるものの鎮痛剤と同じに考えていると期待外れになるかもと説明した。
そもそも病院で鎮痛剤が処方されていないというのは、以前は病院でステロイド剤を注射をしてもらっていたのが、引越しで病院を変えたら、そこの担当医はステロイド剤の注射をしてくれず、鎮痛剤も処方してもらえなかったそう。
ううむ、確かに日本では、ステロイド剤注射を良く思っていない医師は多いという話がある。
実際、最低3ヶ月以上の間隔を空けるとか、年に2回までというように制限があり、ステロイド剤を使うと免疫力が落ちるため感染症のリスクもあるため、気軽に実施できる治療法ではないらしい。
そのうえ、これは私の感じた印象だけど、お客様の話しぶりからすると、『バンテリン』なども独自て使っていたらしく、鎮痛剤を乱用しそうな危険性が拭い切れない。
あくまで、印象の話ですが。
お客様には保険の適用薬でもある『疎経活血湯』を紹介し、こういう物を鎮痛剤と一緒に処方してもらえないか担当医に相談してみてはと提案した。
痛み止めだけに頼るのではないという姿勢を、見せてみるのはどうかと。
本日のところは、『リングルアイビー』を購入された。
売らない理由も無いので。
『葛根湯』をレジに持ってきたお客様から、「風邪の初期」に効くのかと質問されたので、「初期とはいつか」というお話をした。
一般的に「風邪の初期」というと「熱の出始め」や「喉が痛くなったら」と考えられているけど、『葛根湯』の適応する「風邪の初期」は「熱が出る前」であり、「寒気がする……かな?」とか「頭が重い……気がする」というタイミング。
そのうえ、「喉の痛み」に関しては、風邪の兆候とは限らず、現在の日本人には多い「胃炎」や「逆流性食道炎」による炎症を「喉の痛み」と勘違いしているケースもあり、上半身を温める『葛根湯』では適応しないことがある。
そういうお話をすると、頭痛にはどうかと訊かれた。
もちろん『葛根湯』の効能にも頭痛があり、効果はあるのだが、頭痛にも種類があり、上半身を温める『葛根湯』は、高血圧を伴うようなズキンズキンと血管が拍動するタイプの頭痛や、胃が不調になり下に引っ張られるような頭痛にも『葛根湯』は胃に負担を掛けるため向かない。
簡易な鑑別法としては、冷たい水を飲んで楽になるか、温かいお湯を飲んで楽になるかという見分け方があり、温めて楽になるのなら『葛根湯』が適応すると考えられる。
ちなみに、朝方の頭重感や高血圧を伴う頭痛には『釣藤散』が適応し、天井が回るような目眩(めまい)をともなう頭痛には『苓桂朮甘湯』が向いており、冷たい水を飲んで楽になるなら『五苓散』を、そこに疲労感も重なっているなら『柴胡桂枝湯』となる。
頭痛に限った話ではなく「痛み」というのは表面に現れた症状の一つで、本質的には難しいところ。
迷ったら、営業時間であれば電話でもご相談くださいと伝えた。
本日は、そのまま『葛根湯』をお買い上げ頂いたので、家に置いておくよりも持ち歩いて、出先で「予感がした」時に服用するよう勧めた。
さっきの話に矛盾するようだけど、『葛根湯』は早さが勝負で、進行すると『葛根湯』が適応しなくなるケースでも、例えば初期の炎症症状であれば熱を発散したりすることで解消する可能性が高いので。