サプリメントや医薬品でビタミンを摂る意味

 やや高齢のお客様が『ハイシー』を求めて来店したんだけど、『ハイシー』シリーズのどれを探しているのかが分からず、詳しく用途を尋ねてみると、中学生の孫のニキビにとのこと。
 しかし、孫にはたまにしか会わないため、ニキビの色などの状態や、酷くなる時や軽くなる時のことなんかも分からないそう。
 ううん、確かにビタミンCは抗炎症作用があるし、皮脂の過剰な分泌を抑えたりコラーゲンの生成を助けるとされているけど、よほど偏った生活をしてないければ、それほど頑張って摂る必要があるビタミンでもない。
 特に成長期のニキビは、体の仕組みが変わっていく過程での代謝異常みたいなものだから、本人の体質の見極めが重要。
 気持ちは分かりますが、ビタミンC剤が適応するか分かりませんよというお話をした。
 どうも孫ちゃんは果物を食べないそうで、だからビタミンCをと思ったらしい。
 まぁ、果物は体を冷やして代謝機能を低下させたり、果糖は炎症の原因にもなるから、サプリメントや医薬品でビタミンを摂るというのは実は悪くもない。
 もう少し詳しく孫ちゃんのことを訊いてみると、スポーツをしていて汚れるせいかもしれないと言われた。
 その汚れよりも、汚れによって顔を洗いすぎてるとかが原因になってる可能性はあるかな。
 あと、スポーツドリンクをよく飲んでるようだと、やっぱり代謝異常を起こすから、その点は確認してもらった方が良いかも。
 そして、孫ちゃんはニキビのために病院に通院しているらしいと分かった。
 それでしたら、『清上防風湯』を処方してもらえないか担当医に相談してみるのが良いかと思われます。
 ニキビは早く治したいと思うかもしれないけど、若い頃には3年くらいのスパンで治療を考えないと。
 だいたいそれくらいのスパンで、体の仕組みが変わっていくので。
 そんなお話をして、本日のところはお買い上げは無し。

 『パブロンSゴールドW』をレジに持ってきたお客様に、咳や痰があるのか尋ねてみたら、頼まれ物ということで本人の症状は分からないそう。
 一応、発熱には弱いことを伝えて、そのままお買い上げ頂いた。
 大正製薬の公式サイトを見てみれば、総合風邪薬というよりは、痰の切れにくい咳に向いてることが分かると思うんだけどねぇ。
 メーカーに、「総合風邪薬」のイメージが付いちゃってるのが問題なんじゃなかろうか。

Screenshot of www.catalog-taisho.com

 夫婦で来店したお客様から『イボコロリ』の液剤の効能を尋ねられ、皮膚をわざと腐らせて新しい皮膚ができるよう促す物ですと説明したところ、患者は奥さんで、足の裏の一部が固くなっているものの、一般的なイボやタコとも違うみたい。
 患部に痛みがあるそうだから、病院を受診するように勧めると、奥さんは『イボコロリ』を買いたがったけど、ご主人が病院に行くよう促した。
 患部をかばって変な歩き方になれば腰痛などにもなるので、奥さんには重ねて受診を勧めた。

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サプリメントや医薬品でビタミンを摂る意味への1件のコメント

  1. アバター はぐれ薬剤師
    はぐれ薬剤師 コメント投稿者

    青汁もそうですが、普段、正しいお食事をしている人が、少し足りないと感じた時だけにして欲しいですね。これを言ってしまうとメーカーさんは困ると思いますが、お食事にすぐるものはありませ。