花粉症の薬を求めて来店したお客様、今までに『パブロン鼻炎カプセルSα』などを使っていて、中には合わない物もあったそうなんだけど、その合わなかった物は覚えておらず、「なんでもいい」と注文された。
一番困るパターンなんだよなぁ(^_^;)
参考になる情報が無いのに「なんでもいい」というのは、レストランで肉が好みなのか野菜好きなのか、濃い味と薄い味ではどちらが好きかを伝えずに「オススメで」と言われるようなもんで。
まだ症状が激しく出ていないのでありれば、予防薬でもある『アレジオン』をと紹介してみたところ、今抑えたいとのことで、やはり『パブロン鼻炎カプセルSα』を使って頂くことになった。
今度は、使用感をメモして成分表示を取っておいてくださいな(・o・)
『アレグラ』を求めて来店したお客様に、置いていないことを告げたうえで、成分は違うものの作用機序は近く、臨床試験においても優位な差は無かったとされる『アレジオン』を紹介すると、お買い上げ頂いた。
ただ、『アレジオン』の久光製薬の学術部の人は、差があるとも言ってるんだよねぇ。
メーカーの学術部の人の説明を、どこまで信じるか難しいところ。
この辺は、メーカーの社風や研究員の個性にもよるので。
個人的に信用ならないのがS製薬、信頼しているのがE製薬なんだけど(笑)
というのも、登録販売者には外部研修を受ける義務があり、その講習では製薬メーカーから講師が派遣される。
講習では、グループワークによる症例問題があって、私が毎年参加している講習の場合、特定の症例に4つの市販薬から選ぶというのをやらされる。
で、S製薬の講師が出題するときには、答えを考えるだけ無駄。
なにしろ、どの問題も正解がS製薬の薬なんだもん。
複数の問題をやってもそんなだから、しまいにはグループワークで一緒の班になった人たちもシラケちゃって、「どうせコレですよねー(。・ω・)(・ω・。)ネー」ってS製薬の薬を選んで発表。
当初は、講師から選んだ理由を尋ねられて真面目に答えてたけど、それも馬鹿馬鹿しくなって「効きそうだから」って答えちゃったよ( ´Д`)=3
それに比べたら、E製薬の講師が出す問題は難しい。
難しいというか、「この中に、正解は有りません」とかやらかす。
正確には、一応の正解は提示し、それは必ずしも自社製品とは限らないうえ、回答の候補のなっている薬以外にも、他社製品をポンポン挙げる。
そして、本来のこのワークグループの狙いである、「お客様へのヒアリング」において、何を聞き出し、どんな情報に注目すべるきかを、次々に指摘されるため、受講するこちらも俄然本気にならざるをえない。
………ああ、話が脱線した。
いずれにしも、『アレグラ』と『アレジオン』は本来は予防薬として使ったほうが効果的なため、花粉症の症状が顕著な場合には他の抗ヒスタミン薬で抑えてから、改めて乗り換えたほうが良い。
ただし、併用は好ましくないので、その点は注意して下さい。
あと、花粉症はそもそも免疫反応の異常で、本来は外敵ではない花粉を、ウイルスなどと誤って攻撃することで起きる訳だけど、そのレーダーというか敵味方の識別を担っているのは腸だという説がある。(あくまで仮説)
そして、その識別は脳に頼らず自動識別となっている。
この辺は、ウイルスが体内に侵入したり骨折したりしても、まず発熱して体温を上げることで血流を良くしたり免疫力を向上させようとするのと同じ。
状況によっては患部を冷やした方が良い場合にも、防御機能として自動的に発熱するというのは困るものの、いちいち脳の指示を仰いでいては対応が遅くなったりするからと、物理的に物を冷やすほうが温めるのより難しいからだろう。
とにかく、敵味方の識別に腸が関与しているので、腸の機能を正常に保つことが、免疫反応をも正常にすると考えられ、そのためには入浴や下半身の厚着などで腸を温めるのが良い。
というお話を、お客様に伝えた。
湿布薬を買いにいらしたお客様は、腰痛に使いたいとのことで、特に銘柄は決めていないというため、鎮痛効果と浸透力の違いにより、大きく分けて三段階の物があることを説明した。
すると、立ち仕事だというお話から、鎮痛効果が少し強めで浸透力もあるフェルビナク製剤を勧め、『ホームパスFRテープV』をお買い上げ頂いた。
今回は流れ的にお話しなかったけど、立ち仕事であれば『疎経活血湯』も案内したかったな。
『エスタックイブNT』を購入されるお客様に症状を尋ねると、主訴は鼻水と喉の痛みで、透明な鼻水がツーッと垂れてくるという。
そのままお買い上げ頂いたけど、風邪ではない可能性もあるため、部屋に暖房が点いてても体の方を積極的に温めるよう勧めた。
ううむ、あまりお話に応じてもらえなかったから踏み込めなかったけど、もし咳や痰もあるようだったら、『ルルアタックNX』の方が適応するかもなぁ。
この2つ、どちらも鼻風邪をパッケージで謳ってるけど、処方的には喉まで面倒を見てくれるのは『ルルアタックNX』のはずだから。
お客様が自身で選べるのが小売業における市販薬の良い所な反面、お客様が選んだ物に疑義を挟むのは難しい。
しかも、その疑義は臨床面から云えば誤差の範囲かもしれず、体質によって相性もあり、治ると信じれば治ってしまう人間の治癒力も介在するため、正解もまた無い。
なんとも、鵺と対峙している気分であるε-(´・_・`)