市販薬を選ぶための3つの天秤

 高齢の父親から、皹(あかぎれ)の薬を頼まれたというお客様が来店。
 本人は「テレビで見たハンドクリームを」と言ってるらしいんだけど、商品名は本人も覚えていないんだとか。
 ええと……、それは困りましたねぇ(^_^;)
 指の関節部が切れているというから、傷口があるのならハンドクリームではなく治療薬のほうが良いのではとお話して、『ヒビケア』を案内してみた。
 そして、普段のケアには綿の手袋やワセリンでの保護を勧めたけど、それは本人が嫌がるそう。
 う~ん、ワセリンを「ベトつくから」という理由で嫌がる人がいるけど、大抵は単なる「付け過ぎ」だったりするんだよねぇ。
 掌に広げるのなら、小指の爪の先にワセリンを引っ掛けるぐらいの量で充分。
 それを、人差し指の第一関節あたりくらいまでワセリンを取ってしまい広げるとベトつくことになるのだ。
 そして、充分に塗り広げて30分~1時間もすれば、ベトつきなんか気にならなくなるはず。
 本人ではなく頼まれた人にそこまで説明しても、かえって負担感が残るかもと思い『HPローション』を案内してみたが、そっちは価格が高めで今度は予算が問題に。
 ですよねぇ~(;´Д`)
 こうなるともう、本人に「症状のつらさ」と「嫌だというケア」と「予算」を天秤に掛けてもらうしかないかと……。
「そうよねぇ」と応じながら、『ヒビケア軟膏』を買って帰られた。

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 一昨日、病院から喉の痛み止めと咳止めを処方されていて鼻水が止まらないとのことで『小青龍湯』を試して頂いたお客様が再訪。
 鼻水がピタリと止まったと、大変喜ばれた。
 しかし、喉が乾燥したような咳が出るというので、上半身を温める『小青龍湯』の服用は中止して、『麦門冬湯』に乗り換えるよう提案した。
 病院から処方されていた喉の痛み止めも体内を乾燥させてしまうので服用状況を確認したら、そちらは飲み切ったそう。
 私の立場では処方されている薬の中止までは指示できないので、タイミング的には良かった。
 まだ、喉の痛みが続くようならと『駆風解毒湯』を案内したところ、声を使う仕事をしているというので、『響声破笛丸』も紹介した。
 本日は、『麦門冬湯』を試して頂くことになった。

【第2類医薬品】響声破笛丸料エキス顆粒 KM 9包

 やや高齢のお客様から、『マグネシウム』単独のサプリメントは無いかと尋ねられた。
 市場にはあるのかもしれないが、うちのお店には置いていない。
 用途を訊いてみたら、不整脈で通院しており、医師からカルシウムを制限してマグネシウムを積極的に摂るよう指導されたそう。
 ふむぅ、でも処方はされなかったんですね。
 マグネシウムに限った話じゃないけど、ミネラル系の栄養素は多く摂り過ぎると弊害もあるから、正直勧めにくい。
 そして、大抵は単独では役に立たず、それゆえカルシウムと一緒の組み合わせや、マルチミネラルといったサプリメントが多い。
 本日は、鉄分も含まれているマルチミネラルをお買い上げ頂いた。
 食事でカルシウムを制限するとなると、栄養表示を確認しないとならないから結構大変だと思う。

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