腸を大切に! 腸は体の自動防衛機構、故障すると無差別攻撃します

 『ズッキノン』を購入されるお客様に、以前から使っている物なのか確認したところ、頭痛に使い続けてるというので、中身は漢方薬の『釣藤散』だから、病院でも処方してもらえることを伝えた。
 保険が適用される方が診察料を入れても安上がりだし、連用するなら医師の診察は定期的に受けた方が良い。
 症状を尋ねると、特に朝方に頭重感があるそうだから、『釣藤散』が適応するのは確かだろう。
 ただ、その症状は血圧と関係している可能性があるから、あまり自前で対処するのは心配。
 養生として、室内にいる時や寝る際には、下半身だけ厚着をするよう勧めた。

 お客様がレジに『アレジオン』を持ってきたさいに使用経験があるか確認すると初めてで、すでに花粉症の症状が強くでてるというので、それだと効いてくるのに時間が掛かる可能性をお話した。
 一方、『パブロン鼻炎速溶錠』は以前に使って眠くなったというお話から、眠くなりにくい物として『ロートアルガードクイックチュアブル』を案内しつつ、『小青龍湯』を紹介してみたら興味を持たれた。
 ただ、『小青龍湯』は病院でも処方してもらえることを伝えると、もともとは実家の近くの病院で何か薬を処方されていたらしい。
 今日のところは、『パブロン鼻炎速溶錠』を購入された。
 眠くなったというお話なのに、『パブロン鼻炎速溶錠』を選ばれるところが不思議ではある。
 入浴について尋ねると湯船には長く入ってるそうで、のぼせや心臓への負担さえ気をつければ花粉症の養生として良いことをお話した。
 そのうえで、トマトやキュウリなどの夏野菜を避けるよう伝えた。
 そして、どうやら花粉症が免疫反応の異常であることを知らないようだと分かった。
 自分は仕事上のことだから知ってる訳だけど、一般的に認知度ってどうなんだろう?
 本来、人間の免疫反応は外部からの敵、例えばウイルスや菌を攻撃するのだが、花粉などを敵と誤認して攻撃し、排除しようとして起きるのが涙や鼻水で、鼻づまりは敵の侵入を阻止するため、目の痒みや肌の炎症は健康な部位を犠牲にしてでも敵を殲滅する戦いを仕掛ける、これが花粉症の主な症状の原因。
 なので、本物のウイルスに侵されて風邪をひき発熱すると、攻撃対象が変わるから花粉症の症状は軽くなったりする。
 まぁ、今度は風邪で苦しむ訳ですが。
 花粉症から風邪に移行してしまう事があるのは、花粉相手に無駄弾を撃ちエネルギーを消耗し、そこをウイルスにつけ込まれるからだし、その反対に風邪が治ったと思ったら花粉症になってしまうのは、体としては敵を排除しきれていないからと不毛な消耗戦に突入するからである。
 で、肝心の敵味方を識別する防衛機構の要は腸が担っている。
 心臓が人間の意志とは関係無く自動で動いているように、免疫機能もまた完全自動制御。
 なにしろ相手は小さいから、いちいち脳が認識してから攻撃したのでは手遅れになってしまう。
 この辺は上手く出来てるなぁと思うものの、これまた自分の意志で心臓の鼓動の強弱が出来ないように、攻撃対象の変更や攻撃力の制御ができないのが困りもの。
 せめて出来るのは、防衛機構を担っている腸の状態を良好に保つことである。
 それが、日頃から温めて血流を良くし、腸内細菌の活動を手助けすることなのだ。
 その簡単な方法が、長めの入浴と下半身の厚着という次第。
 あっ、ちなみに私自身は花粉症になった時に、攻撃力を弱めることだけは自分の意志で出来ます(o ̄∇ ̄)o
 いや、他の人もできるのかもしれないけど、花粉症の人に訊くと実践してるという人に会ったことが無いので、あまりやる人はいないのかなと。
 それは、全身の力を抜いて背筋を伸ばさず首をうなだれ、手はダラーンと下げて、足は引きずるように歩き、何をするにもゆっくりした動作で動くこと。
 さきにも書いたように、免疫反応は攻撃力に直結するから、いわば全軍の士気を下げてやるんである。
 そうすると、目鼻の痒みも鼻水やクシャミも、かなり軽くなる。
 ただし、周囲の人からは今にも倒れそうな姿に見えるらしく、「大丈夫ですか?」と心配されるけど(笑)

 『苓桂朮甘湯』を購入されるお客様に使用経験を尋ねると、これで3回目とのこと。
 目眩と耳鳴りに動悸があるといい、目眩は天井が回るような感じだそうだから、大きく外してることはない。
 ただ、今は起きていないものの以前は寝汗をかくこともあったそう。
 生理と連動していたかについては、分からないという。
 ううん、水分代謝の異常だとは思うけど、手掛かりが少ないな。
 それに、動悸に関しては『苓桂朮甘湯』では力不足のように思える。
 『苓桂朮甘湯』は病院で処方してもらえる薬でもあるし、他の選択も考えられるので、漢方薬に詳しい病院を紹介し、一度は受診してみるよう勧めた。

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