「かれをすてこれをとるか これをすてかれをとるか 世界の掟てにそむいてきみは かれもこれもすてた」(吉本隆明)

 成人の息子さんの、花粉症の薬を買いにお客様が来店。
 主訴は鼻水で、花粉症なのは確かという話。
 しかし事前に何か市販薬を使っていたというのだが、銘柄も使ってみての効果も分からないとのこと。
 効果を感じたかどうかは、成分から薬を絞り込むのに大事な情報。
 例えば鎮痛薬だって、効能としては「同じ鎮痛」でも、その作用機序は異なるため、効いた物が分かれば同じ成分か似た化学構造を持った薬を選び、効かなかったなら除外するのが得策。
 眠くなると困るというお話から、『ロートアルガードチュアブル』と『小青竜湯』を案内した。
 そして、『小青竜湯』は病院でも処方してもらえることを伝えたところ、『ロートアルガードチュアブル』を購入された。
 鼻水は内臓が冷えていると考えられるため、本人を風呂に閉じ込めちゃうぐらい入らせて下さいとお話しした。
 のぼせやすい場合は、水で濡らしたタオルを頭に載せるか、風呂場の窓やドアを開け放して入るように。

 中学生の親子連れのお客様が来店し、肩こりに貼るものを希望され、年齢制限のこともあるため『サロンパス』を案内したうえで『葛根湯』の使用を提案した。
 お風呂に入るなど、温めて症状が軽くなるようなら、上半身を温める『葛根湯』は有効だ。
 また、時期的にテストによるストレス性の可能性を伝え、消化に良い食事お勧めた。
 今回は服用に年齢制限があるため紹介しなかったが、『コリッシュ』(治肩背拘急方)は温めても改善しない肩こり、特にストレスが思い当たる場合には有効。
 あと、今回の患者さんはスポーツをしているそうで、筋肉痛の相談を受け、塗り薬の『ラブ』を案内するとともに、内服薬に『疎経活血湯』を紹介した。
 筋肉痛に内服薬というのは考えていなかったらしく、たいそう驚かれた。
 やっぱり、認知度は低いのね。
 そして、マッサージも大事なことを伝え『ラブ』を『サロンパス』と一緒にお買い上げ頂いた。
 この場合のマッサージは、力を入れずに親指の付け根で優しく撫でるだけで良い。
 ギュッギュッと力を入れて揉むマッサージが有効なのは、プロかプロに準じる訓練を受けた人がやってこそ。
 素人がやる場合には、撫でるようなマッサージで充分。

 お客様から、咳と喉の違和感の相談を受けた。
 一週間ほど前に風邪で発熱したそうなので、体内が乾燥してる可能性お話しして『麦門冬湯』を案内した。
 また、痰は喉に引っかかるずに出るというお話だったから『ブロン錠』も紹介した。
 同じ名前と効能のような『ブロン錠エース』は、「痰が引っ掛かる場合」に適応するので違いに注意。
 本日は『麦門冬湯』を試して頂くことになり、発熱して胃を悪くしているのが咳の原因と考えられるため、しばらく消化の良い食事をするよう伝えた。
 ただ、消化の良い食事で候補になりやすいお粥は、うどんなどと比べると消化に悪かったりする。
 栄養価が高く、それでいて消化吸収に体への負担が少ない「溶き卵のスープ」がお勧め。

 風邪薬に鎮痛剤と胃薬などをまとめて購入されるので、お客様に常備薬にするのかを確認したところ、家族で使うぶんを分けているとのお話だった。
 家族とはいえ、性別・年齢・体質が違うことを考えれば、とても良い方法であるということを伝えた。

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