手首を火傷したとのことで、お客様が飛び込んできた。
「火傷の薬を!!」と頼まれることは度々あるのだけれど、残念ながら「火傷の薬」という物は存在しない。
治療は、初期に冷やし、細菌による汚染を防ぐ以外には無い。
よく水膨れを潰してしまう人がいるようだけど、アレは「透明な血液」で、中には最近を倒す成分が詰まっているので、安易に破かないように。
もちろん、大火傷の場合は皮膚移植などが必要になる訳だけど、それはつまり薬でどうこうできるモノではないのだ。
今回のお客様は、中身の入った鍋を運ぶ時に、中身が手首にかかって、1時間ほど流水で冷やしたという。
的確な対処である。
となれば、今後の処置もそれほど心配は要らないだろう。
『紫雲膏』を勧めて、『防水タッチパッド』で覆うよう、お話した。
そういえば以前に、足に熱湯をこぼしたと、お爺さんが店に来た事があったなぁ。
もう、見るからに皮膚がただれたうえ捲れていて、どうも家族に知られるのを嫌がっているのを説得して、救急車を呼んだりと大変だった。
後日、救急搬送したおかげで大事に至らなかったと、息子さんがお礼にいらした。
そう、この「家族に知られたくなくて悪化」というケースは珍しくないから、なおさら対応に気をつけなきゃいけない。
授乳中というお客様から、胃痛の相談を受けた。
もちろん、基本的には薬全般を避けた方が良いのだけれど、単純に病院へというのも、なんだか手抜きのようで気が引ける。
授乳中に使える痛み止めとしては、『芍薬甘草湯』が候補になるので、成分に含まれている胃薬として『大正漢方胃腸薬』を案内した。
一応、痛くなる条件(食後なのか、空腹時もなのか)や、冷たい物を飲むと楽になるのか(胃炎)、温かい物を飲むと楽になるのか(胃部停滞)といった経過観察をして、メモを取るように勧めたうえで。
また、育児ストレスも可能性として考えられるため、『リフレライフ』(安中散加茯苓)と、『四逆散』の入った『爽和』も紹介しておいた。