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 お客様から、『イソジンうがい薬』と『新コルゲンうがい薬』の違いを質問された。
 うーん、単純に言えば『イソジンうがい薬』の主成分であるポビドンヨードは、細菌や真菌だけでなくウイルスにも効果を発揮して、『新コルゲンうがい薬』の主成分である塩化セチルピリジニウムは、ウイルスへの効果が期待できないくらい。
 一方、『新コルゲンうがい薬』には抗炎症のグリチルリチン酸二カリウムが入っており、『イソジンうがい薬』の方は刺激性が強いため、現に喉が痛む場合には勧めにくい。
 というか、どちらも体を守る常在菌をも洗い流してしまうから、ただ漫然とうがいすること自体が、私としては勧められない。
 なので、周囲の人が風邪を引いている時に『イソジンうがい薬』を集中的に使い、自身が喉が痛む場合に炎症を抑えるために『新コルゲンうがい薬』を使うのが良いかな。
 という、曖昧に答えになってしまうσ(^◇^;)。
 でもって、状況を尋ねると、明け方に喉がイガイガするとのこと。
 ありゃん、それは体内が乾燥してる可能性が高いですねぇ。
 もしかすると、胃炎を起こしてるんじゃないでしょうか。
 胃と喉は繋がっているから、胃の炎症の喉の痛みとして感じているのかもしれません。
 そうお話して、『麦門冬湯』を紹介した。
 そして、毎日うがいをするのであれば水道水で十分な事をお話すると、スッキリ感が欲しいと言うので、メントールの入っている『新コルゲンコーワ』の方を勧めたら、売り場を離れた。
 どうやら、口中をスッキリしたくて『リステリン』を選ばれた模様。
 ズコーッ(・_゚)┌┛┌┛

 お客様から、指輪の跡が痒いと相談されたので患部を見せてもらうと、鬱血して蒼黒くなっていた。
 起きているのは、しもやけや皹(あかぎれ)と同じ。
 細い血管に栄養が行かなくなり、栄養不足を弱い痛みとして知覚しているのだ。
 なので、『ヒビケア』を案内した。
 店頭でのセールスの関係で価格が安くなっている、同じ成分の『エルモディア』を購入していただき、養生として色の濃い野菜を集中的に食べるよう勧めた。
 皮膚の材料を結集するのだ。
 また、クリーム状の薬を塗る時には、皮膚の流れる方向に沿わせるよう教えた。
 皮膚の防御機能は高く、なかなか有効成分が浸透しにくいが、クリーム薬の基剤は界面活性剤で軟膏薬と比べると油脂と馴染みやすい。
 とはいえ、やはり皮膚の防御を突破するのは容易ではないので、少しでも浸透させるために皮膚の流れに沿って擦り込むのだ。
 つい、手首から指先へ、指先から手首の方に擦ってしまいがちだけど、普通は手の甲の皮膚は横に流れているはずである。
 あっ、ちなみに経皮毒を心配するような浸透の仕方は、まずありえませんので、ご心配なく。
 浸透させるために調合された薬剤でもなければ、まず一般家庭用品の洗剤なんかが皮膚から体内に取り込まれることはありません。
 というか、そんな簡単に物質が皮膚から取り込まれるようなら、製薬メーカーは苦労しません。

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