効能書きが同じでも効くプロセスが違う

 中学生の息子さんの、汗疹の痒み止めを探しているというお客様。
 他店で購入した薬は、スースーして患部にしみたたため他の物を探しているそうなのだけど、肝心の使った薬の成分はおろか名前も分からないので困った。
 どうして現物を持ってこなかったのか。
 せてめ携帯電話かスマホで写真を撮っておいてくれるだけでも、手がかりになるのに(;´・ω・)
 スースーしたのは、メントールかなぁ。
 他のアプローチとして、その息子さんの事を尋ねてみた。
 部活で運動をしていて、服が擦れるというのもあるようなので、『ユースキンあせもジェル』を案内してお買い上げ頂いた。
 痒みが落ち着いたら、『桃の葉ローション』で予防するよう勧めた。
 この『桃の葉ローション』、どうも「桃の香りのする子供向け」のローションと思われる事が多いらしく、桃の葉そのものが昔から炎症を抑えるのに使われているんですよと説明している。
 汗疹になりやすい人は、一度お試しあれ。

 やや高齢のお客様から、鼻づまりの相談を受けた。
 自身で『葛根湯加川きゅう辛夷』を服用しているとの事だったけど、鼻がつまる時の状況を尋ねたところ、ビールなどの冷たい物を飲むと起きるようだったので、『辛夷清肺湯』の方を勧めた。
 『葛根湯加川芎辛夷』は上半身を温めることで鼻づまりを通すので間違いではないけれど、症状に飲食が関係するとなると胃に通じる『辛夷清肺湯』の方が向いていると考えられる。
 反対に、『荊芥連翹湯』は患部を冷やす事で鼻づまりを通すため、今回の場合には適応しない。
 この三つの漢方薬は、同じように効能に「鼻づまり」とあっても、効くプロセスが違うので使い分けが必要。
 そして、効能書きが同じでも効くプロセスが違うのは、他の薬にも云える事なので、その点をお忘れなく(^_-)-☆

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