ペットボトルに取り付けるストローを求めて来店されたお客様に売り場を案内したうえで、介護用のストロー付きボトルを提案したところ、本人が嫌がるだろうとのお話だった。
患者はご主人で、まだ40代でバーキンソン病を患っているという。
ううん、そういうことでしたか……。
ただ、まだ相談できるケアマネージャーやドラッグストアなどは決めていないとのお話だった。
公的支援を受ける時には、手続き上かなり時間がかかるので早めに相談先を探すよう勧めた。
お客様から腰痛の相談を受け症状を尋ねると、座椅子に腰掛けていて痛くなるという。
そしてインドメタシン製剤の『バンテリン』を使ったそうなのだが、塗った直後しか効かないとのこと。
鎮痛効果の高いバンテリン製剤が効かないとなると、浸透力のあるフェルビナク製剤か、鎮痛効果と浸透力の両方に優れるジクロフェナクトリウム製剤の方が良いかもしれないと紹介したところ、病院から『ロキソニンテープ』を処方されていたというのが分かり、それより効果を弱く感じるかもとお話しした。
すると、『ロキソニンテープ』では被れてしまったという。
しかし、それが『ロキソニンテープ』のせいかは分からない。
というのも、湿布でかぶれる場合二つの要素があるのだが、大抵のお客様がそれを確かめたことが無い。
一つは、湿布を貼る前に患部を清浄したかどうか。
埃や汗を拭わないまま湿布を貼ると、それらを長時間密封するということになるから、当然かぶれるのである。
そのため、入浴後など患部を清潔にした状態で貼ってもかぶれるのかどうかを、確かめてみる必要がある。
もう一つは、一次刺激性接触皮膚炎である。
人間の体には自動的な防御機構が備わっているので、初めて触れた物には、まず抵抗するのだ。
そして、同じ物にもう一度触れてもかぶれる場合は二次刺激性接触皮膚炎と呼び、これがいわゆるアレルギーである。
よく「肌が弱いから」湿布でかぶれるといるように思われがちだが、実のところ薬剤の強弱はあまり関係ない。
主成分との相性があるし、主成分ではなく添加物が原因ということもある。
だから、確かめるためには同じ湿布を小さく切って、もう一度貼ってみて同様にかぶれるのかどうかを確認しなければ確定できない。
しかし、残念ながら患部を清潔にして貼ってみる方法も、同じ物を貼ってみて確認する方法も、大抵の人は試した事が無いし、そのかぶれた物の成分表示を取っておいていない。
そのため、お客様からフェルビナク製剤とジクロフェナクナトリウム製剤のどちらがお勧めかと訊かれたが、かぶれるかどうかは使ってみないと分からないので、鎮痛効果の弱い物から段階を踏むか、強い物から行くかという方針は、お客様自身に決めてもらうしかない。
一つの考え方としては、常用するのであれば強い物を連続で使うと、その先に使える物が無くなってしまうので、鎮痛効果の弱い物から段階を踏んで乗り換えていき、急性症状には短期決戦で臨むとなれば最初に鎮痛効果と浸透力の強い物を使うのが良いだろう。
今回は、短期決戦でと望まれたのと、やはり湿布はかぶれるのが怖いとのことで『フェイタスZローション』をお買いあげいただいた。
それから、病院では骨に異常は無く筋肉の薄さを指摘されたというので、ストレッチをするように伝えた。
この場合のストレッチは激しい運動ではなく、体を支えるためのものである。