便通が1日1回というのは刷り込みです

 やや高齢のお客様が、疲労対策の漢方薬を見ていて、どれが良いかと相談された。
 主訴は、肩から頭にかけてのこりと疲労感で、引越しをして家族が増えたことと、仕事が忙しく休めていないというお話に、発症が2週間ほど前からというので気圧の変化も関係しそうと思われた。
 病院からは、何か筋肉の緊張を緩める薬が処方されているようなのだが、お薬手帳を持っておらず内容は不明。
 睡眠時体は問題ないものの、トイレには何度か起きているというので腎機能が低下していると考えられる。
 食欲はあるというお話から、環境の変化によるストレスと考え『補中益気湯』をまず提案したが、肩から頭にかけてのこわばりと、頭が朝方にボーッとするということに焦点を当て直し『釣藤散』も紹介した。
 パッケージに大きく高血圧と書いてあるため、血圧は問題ないという話だったが、時間帯による変化は病院での設定では分かからないことを伝えると、『釣藤散』をお買い上げいただいた。
 ただ、お客様の様子からすると、話を聞いてもらいたいというのが第一だったようにも思われる。

 やや高齢のお客様から便秘に『新ウィズワン』を使ったところ、便が柔らかくなりすぎたため、もっと「効き目の弱い物」を捜していると相談された。
 しかし、『新ウィズワン』の作用機序は、腸内の水分を集めて便を柔らかくするものなので、効き目が強い弱いというよりも、効果としては正常と思われることを説明した。
 そのうえで、軟便が気になるのであればと『オイルデル』を紹介し、お買い上げいただいた。
 こちらは、『麻子仁丸』に近い物で、商品名のように植物油によって腸内の滑りを良くするイメージ。
 高齢者の便秘にも、効果的である。
 ただ、お客様は便通が1日おきというのを心配していたが、食べる量が少なくなっていて、お腹は苦しくないというので、便秘とは限らないことを伝えた。
 1日1回の便通が正常という刷り込みがあるが、実際には人それぞれだし、年を取れば内臓の機能は低下するのだから、あまり便通は毎日とは考えない方が良い。
 気にし過ぎると、それがストレスになって胃腸の働きを悪くしてしまう。

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