酔い止めとアレルギー薬はぶつかる可能性高し

 『加味帰脾湯』を購入されるお客様に使用経験を尋ねたところ、耳管開放症だそうで、いつもは病院から処方されていて、行くことができないために買いにいらしたという。
 耳管開放症というのは、耳の奥と鼻の奥とで繋がっている耳管が開きっぱなしになり、自分の声が耳管を通して反響してしまう病気で、後で調べたら、耳管開放症は腸の働きや精神不安などとも関係があることから、耳鼻科では『加味帰脾湯』が多く使われるらしい。
 これは、店頭では分からない使い方だ。
 もっとも、効能に書いていないから店頭では主訴として売れませんが。

 小学校低学年の子供の酔い止めをとお客様から注文され、『こどもセンパアS』と成分違いの『トラベルミンチュロップ』を案内したが、耳鼻科で抗生剤の他にも何か薬が処方されているというので、念のためおくすり手帳を持参するよう勧めた。
 抗生剤はともかくとして、アレルギー薬として抗ヒスタミンなんかが処方されていると、お互いに成分違いとはいえ『こどもセンパアS』も『トラベルミンチュロップ』にも抗ヒスタミン薬が主成分なため、処方薬との相互作用で問題が起きる可能性がある。
 今日のところは一旦お帰りになられることになったが、酔いにくくする方法の一つとして、乗る前は温かい食事をして、乗ったら冷たい飲み物をチビチビと飲むように伝えた。
 腸は体温より低い物を受け付けられないから、酔いにくいようにとヨーグルとバナナなどの軽食で済ませようとすると、冷たい物は消化が終わっても温かくなるまで胃に取っておくことになる。
 しかし、温かいスープなどであれば、消化が終わり次第すぐに腸に送られて胃は軽くなるのだ。
 一方 乗ってからは、冷たい物をチビチビと飲むことにより、胃の機能をわざと低下させると、吐き出す能力も落ちるので吐き気を抑えられる。

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