やや高齢のお客様から、「タムシの薬を」と注文されたので『ダマリンL』を案内したうえで症状を尋ねると、決まった時期になるものの、陰嚢が痒いだけで発疹などは無く、太ももに症状が広がったりもしていない模様。
この症状だけではタムシとは判断しきれないため、タムシに湿疹の薬を使っても一応は大丈夫だが、その逆は殺菌成分が刺激になってしまい良くないことを説明し、今回は『デリケアM’s』を使っていただくことになった。
一度は病院に行ってみることと、湿疹の場合は長めの入浴による血流改善で治る可能性を伝えた。
やや高齢のお客様から目眩(めまい)の相談をされ、立ちくらみではなく座っていても回転するような感覚がして、立つと雲の上を歩いているようなフラフラ感が起き、すぐに歩けずに深呼吸しているという。
すぐに歩き出さないのは、良い判断ですねとお話した。
回転性の目眩には水分代謝を改善する『苓桂朮甘湯』を、フラフラ感には血圧調整の『釣藤散』を紹介した。
フラフラ感には血圧が関係することをお話しすると、半年ほど前に心臓弁膜症の手術を受け、降圧剤が処方されていると分かった。
そして、家で測った時は血圧が低かったものの定期受診のさいには正常値で担当医に言い出せなかったという。
また、友人に誘われて飲酒したさいには倒れてしまったそうで、他に処方されている薬を尋ねたところ交感神経β受容体遮断薬(βブロッカー)が出ていることが分かったため、副作用に目眩があることと、服用中に飲酒しては駄目なことをお話した。
お酒を誘った友人には、「これくらいで酔うのは、普段から飲んでないのがいけない」と言われたらしい。
オマエは人を殺す気かヽ(`Д´)ノプンプン
お客様には、次の診察を待たずに担当に相談するよう勧めた。
私の方も、もっと早い段階で服用している薬が無いか確認するべきだった。
今回のように、起きている症状が副作用の可能性が高いことがあるから。
ただ、副作用を単純に「薬の悪い作用」と勘違いされるのも困る。
例えばアレルギー薬のジフェンヒドラミンの副作用は眠くなることだが、睡眠補助剤として活用されることもある。
あくまで、特定の目的の主作用に対して副次的に起きるのが副作用で、その副作用を利用して別な目的に活用することがあるから、副作用を怖いものとして認識するのは誤り。
これは食べ物にも云えることで、トマトを食べて得られるリコピンなどの栄養素とトマトに含まれるアルカロイド系の毒素や、ワインに含まれるポリフェノールが有用である一方、アルコールが有害であるのと同じ。
それらの毒や有害作用のある物にしたって、鎮痛や消毒といった別な目的には有用なんである。