医療系の陰謀論を吐く人たちは責任取れるの?

 今回は、最初に受けた相談の症状より、ついでに相談された物の方が大事だったというお話。
 やや高齢のお客様から最初に相談されたのは、朝起きると目ヤニが固まっているという内容だった。
 目に痛みや充血は無いそうで、エアコンによる埃やカビに反応としてるとも考えられる一方、失礼ながら加齢による目元のたるみも原因と考えられる事を説明し、『ロート新緑水』を勧めてお買い上げ頂いた。
 ところが、いったんお会計を終えた後に外用消炎鎮痛剤の棚で、何やら迷っている様子だったため、症状を詳しく尋ねてみた。
 すると、仕事で重い荷物を運んだりしているそうで、膝が痛くなる事があり、自分で『ボルタレンEXテープ』を使用しているものの、服の中で捲れて邪魔になってしまうため、代わる物を探しているという。
 そこで、同じ成分の液体タイプがある事を案内した。
 しかし、気になるのは膝の症状。
 病院での診察を受けているのかを訊いてみると、最初は内科と整形外科を一緒にやっている病院に通院していたところ、高血圧との関係を医師から指摘されたものの、それの意味するところが理解できず、そのうえ知人から「科目を一緒にやってるような病院は辞めた方が良い」と言われ、今は整骨院に通っているという。
 そして、その整骨院では「一生治らないよ」と言われつつ、ヒアルロン酸の注射を受けているという。
 ううん?
 なんか、以前にも聞いた事あるフレーズ。
 坐骨神経痛と診断されたお客様から、整骨院で「一生治らないよ」と言われたと。
 やっぱり、同じ整骨院なのか?
 しかも、その余計なアドバイスをした知人は、いったい何者なのか。
 なんだか、医療系の陰謀論を吐く人たちみたいで迷惑だなぁ。
 その言に惑わされて、まっとうな治療を受けられなかったら、どう責任を取るつもりなんだ=3
 医師が掲げる科目は、いわば得意分野で、実のところ麻酔科以外は、どんな科目を掲げたって良い。
 麻酔科だけは、麻酔科標榜医(申請制度)と麻酔科専門医(学会試験制度)といった別な資格が必要になるけど。(免許的には、医師免許か歯科医師免許を持っていれば麻酔を行う事はできる)
 近所の個人医院は、麻酔科出身なので、ある意味無敵である。
 とにかく、専門分野を複数持っているというのは悪い事ではない。
 本当に優秀かは別にして、内科的な視点と外科的な視点の両方を持っているとすれば、その方が治療には望ましいだろう。
 それを、なんで整骨院にグレードダウンしてしまうのか。(整骨院をディスっている訳ではありません。念のため)
 http://news.mynavi.jp/c_career/level1/yoko/2012/09/post_2317.html
 しかも、複数のお客様から聞いたところによると、「一生治らないよ」が口癖みたいだし。
 ただ、最初の医師とは、どうもあまり深くお話をしていなかったらしい。
 他の患者さんの迷惑にならないようにと、自身もあまり時間をかけたくないと思い、診察は短く切り上げるように心がけていたという。
 待合室で聞き耳を立てていたのか、他の患者さんが雑談しているのを聞いていて、時間がかかるのを快く思っていなかった模様。
 いやいやいやいやいや、その雑談は必要なんですよ。
 家族関係とか、生活環境とか、治療の手がかりになる情報は、その雑談の中から得られるんですから。
 今回も、元々は目ヤニの相談から始まって、今は膝の痛みの話をしているじゃありませんか。
 目薬を買ってすぐに帰らずに、ついでに湿布を買おうとお店に留まっていたからです。
 そして、膝の痛みは仕事で荷物を運ぶ時の屈伸が影響しているようなので、『桂枝加苓朮附湯』を紹介したところ、お買い上げ頂けた。
 ひとまず試して頂くとして、最初の病院にも行ってみた方が良いと思います。
 血圧の事も言われていた訳ですし、今度は詳しくお話をしてきてみて下さいな。

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