医師や薬剤師に相談しにくいと感じる患者さん

 お客様が『エクトールDX』をレジに持ってきたさいに、食中りの場合は原因物質を早く体外に出すために下痢を止めないようにと伝えたところ、そのまま相談となった。
 今回の下痢の症状は、おへその下あたりが痛み、吐き気は無く、便は柔らかいだけで水瀉性ではないとのこと。
 食中りではないようだから適用することを伝えたうえで、冷たい物の飲み過ぎではと話すると、冷房したままで寝たのが思い当たるようだ。
 そうであれば、『胃苓湯』も使えるところであるが、そのままお買い上げいただき、お腹周りを温めることと、今日は固形物は食べないようにと勧めた。

 やや高齢のお客様から、ビタミンCとヘム鉄を、他の薬と一緒に飲んで良いか質問され、お薬り手帳を見せてもらうと、ガンの治療薬が含まれていた。
 詳しくお話を訊くと、抗がん剤の副作用で食欲が落ちていることと、立ちくらみのような目眩がするため、サプリメントを使いたいということだったが、担当医には相談していないという。
 一義的には担当医への相談が優先であることをお話したうえで、改めておくすり手帳で処方されている薬を調べてみたところ、処方されている10種類ほどの薬とは問題無いものの、ヘム鉄は胃に負担がかかる可能性があり、食欲が落ちているとなると、やはり避けた方が良いと思われた。
 例えば、病院からヘム鉄が処方される場合には胃薬が一緒に処方されたりする。
 お客に処方されている薬の中に『半夏瀉心湯』『牛車腎気丸』があるのも、抗がん剤の副作用を軽減するだろう。
 なので、ビタミンCはともかくヘム鉄はやめておくようお話を重ねたのだけれど、どうしても使ってみたいと懇願されるかのように押し切られてしまい、サプリメントも担当医に報告することを約束していただいて売ってしまった。
 うう……、もっと毅然とした態度で臨むべきだったかも。
 今回は、全ての薬を調べて併用に関する資料と照らし合わせるのに30分以上も時間がかかってしまい、だいぶ待ってもらったのを引け目に感じてしまったのもある。
 あっ、そうそう。
 もし担当医に言いにくいようだったら、薬剤師さんにでもお話をするようには伝えておいた。
 医師や薬剤師に相談しにくいと感じる患者さんは多いみたいだから、おくすり手帳を活用するためにもドラッグストアーの登録販売者も、なんとかネットワークの中に入れないものだろうか。
 前にあったような、患者さんに薬を調剤している薬局みたいに、こちらから問い合わせて丸投げされても困るけど(^_^;)

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