素直に買われると不安になる

 やや高齢の夫婦のお客様から、大幸薬品とイヅミ薬品の『正露丸』の違いを尋ねられ、そもそもの『正露丸』が食中り向けの「飲む消毒薬」だとすれば、本来は悪いモノを早く排泄するのが重要で下痢を止めてはいけないものの、 市場のニーズとして下痢止めるために使いたいということがあるため、下痢止めのロートエキスを足してあるのがイヅミ薬品の『正露丸』だと説明した。
 そういう意味では、大幸薬品の『正露丸』とは別に、『ストッパEX』などの下痢止めを用意しておいて使い分けた方が良い事をお話しした。
 また、『正露丸』の糖衣錠は単に甘味を付けた物ではなく、抗炎症の生薬を二つ抜いてあるので、シクシクするような腹痛には弱いと考えられることも伝えた。
 ただ、今回は旅行に持っていくというので、下痢止めも兼ねられるイヅミ製の『正露丸』を勧めた。
 それから、胃腸炎と風邪の両方に対応できる『柴胡桂枝湯』を紹介したところ、白髪の相談も受けたため腎を養う『牛車腎気丸』を案内すると、両方とも購入された。
 買っていただけるのは有り難いのだけれど、普段は「いつも使ってるから」とか「ポイントが付くから」という理由で提案した薬を退けられるから、紹介した物を全て買われると逆に不安になってしまう(^_^;)

 お客様から、家族の蕁麻疹(じんましん)について相談を受けた。
 1ヶ月前くらいからとのことで飲み薬を希望されたことから、『レスタミン錠』と『アレルギール錠』に加え、現代薬と漢方薬の『十味敗毒湯』を合わせた『タウロミン錠』を案内した。
 また、上半身が虫刺されみたいに赤く腫れてるという話もあったため、患部の赤味と熱を取り除く『黄連解毒湯』も紹介した。
 しかし、予算と合わなかったようで値段の高さに驚かれたため、いずれも主成分の薬は病院で処方してもらえることを伝え、本日はお帰りになった。

 解熱鎮痛剤の店で迷っている様子のお客様がいらしたので声をかけてみたが、案内は断られた。
 やがて、『セデス・ハイ』のキャンペーン品をレジに持ってきて、『セデスファースト』があるか尋ねられた。
 『新セデス錠』が『セデスファースト』と同じ内容であることを説明したところ、『新セデス錠』は家に残ってるとのことだった。
「先に聞けばよかった」とお客様に言われ、症状をヒアリングをすると頭痛とのことで、締め付けられるような感じというお話から肩こりを指摘すると思い当たるようだった。
 そこで『葛根湯』を提案してみたけれど、以前に『葛根湯』は気持ち悪くなったというので、『釣藤散』が適用するかもと紹介した。
 今回は、『セデス・ハイ』を通常パッケージ品に変更してお買い上げとなった。

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