お客様から病院で処方されている目薬と同じ物をと注文されたのだが、一つは炎症を抑えるステロイド剤で、もう一つはドライアイ用の物が処方されており、ステロイド剤については市販されていないことを説明したうえで『新緑水』を案内した。
ただ、主訴は目のゴロゴロ感とドライアイということだったので、他に『スマイルコンタクトEX』も候補に挙げ、コンタクト専用という訳ではなくコンタクトをしていなくても成分による効能で検討することになりますとお話しした。
今回は『新緑水』をお買い上げいただいたが、週の半分はシャワーだそうなので入浴が大事なことと、目の周囲にシャワーを浴びてみたりして温めるよう勧めた。
目の材料を運ぶのも不要な物を回収するのも血液だから、とにかく血流を良くしなければ。
やや高齢のお客様から、咳と喉の痛みに漢方薬を希望されたのが、高血圧の薬を服用しているそうで他店の薬剤師から『麦門冬湯』を紹介されたものの、売ってはもらえなかったとのこと。
随分と慎重な薬剤師さんなんだなぁと、感心してしまった。
そこは、見習わなければいけないかもしれない。
心配であれば半包から試してみてはと提案したうえで『麦門冬湯』を勧めてみたが、やはり薬剤師さんの発言には重みがあり避けたい様子だったのと、咳よりも喉の痛みの方が今は気になるというお話から『駆風解毒湯』を紹介して試していただくことになった。
また、同様の症状は風邪ではなく、逆流性食道炎でも起きることを伝えておいた。
一般に、健康な人でも一日に50回くらいは胃液が逆流しているくらい珍しくないことで、それが症状として現れるのは過食や疲労、年を取ってくれば機能低下により修復が追いつかなくなるから。
以前に、長引く微熱と悪寒に『柴胡桂枝湯』を使っていただいたお客様が来店し、その時には天井にカビがあるという話からそれが原因ではないかと推測していたのだが、今日お話を伺ったところでは、糖分を控えるようにしたら治ったとのことで、それは自分で調べたのだそうだ。
かなりの甘い物好きらしく、確かに甘い物はリラックス効果がある一方で体の機能も緩んで低体温になったり免疫力も衰えるため、ありえる話だと思う。
知識としては知ってはいたが、当時は思いつきもしなかった。
ううむ、ヒアリングが足りなかったか(^_^;)
そういえば自分自身も、微熱と吐き気が続いていたことがあって『柴胡桂枝湯』を服用し、やがて吐き気のある咳に移行したため『半夏厚朴湯』に変更したのに回復せず、『神秘湯』に乗り換えてようやく改善したことがあるのだが、後で数日前に鉄道模型のレールを磨くのに溶剤を使っていたことに気がついた。
私は溶剤アレルギーなので、それで喘息を起こしていたのだ。
本人が気づかないくらいなんだから、もしその時の私が患者としてドラッグストアーを訪れたとしても分からなかったかもしれない。
なので、患者さんには店頭で思いつく限りのお話をお願いしたいし、私の方も想像力を働かせてヒアリングしなければと思う。