お客様から、吐き気のある風邪に使える風邪薬をとの相談を受け、市販薬では『柴胡桂枝湯』の一択しか無いことを説明して、お買い上げ頂くことになった。
ドラッグストアーの風邪薬の棚を見てもらえば分かるけど、「のどの痛み」や「咳」、「発熱」に「鼻水・鼻づまり」とパッケージに書いてある風邪薬は数あれど、「吐き気」と書いてある風邪薬は現代薬には無いはずである。
次点としては、『桂枝湯』か『かっ香正気散』というところだろうか。
お会計をしてから患者について尋ねると「家族です」とお話しされ、「奥様ですか?」と確認したら「そうです」とのことだった。
どうして、そういう重要な情報を最初に出さないで隠そうとするのかよく分からない(;´Д`)
妊娠の有無やら授乳の有無はもちろん、婦人疾患の関係とか、他に服用している薬とか、こちらには訊きたいことが山ほどあるんだけど、あまり根掘り葉掘り質問すると嫌がられるから、遠慮しいしいで対応していると、こういうことになる。
ドラッグストアーで薬を買う時の基本として、「1.誰が使うのか 2.どんな症状か 3.いつ頃から 4.他に使っている薬はあるか」は最低限、伝えてくださいな。
奥さんはフルーツなら食べられると言っているそうで、体を冷やすと抵抗力は落ちるから判断に迷うところ。
今夜は温かいスープをと勧め、フルーツを食べるのであれば昼間の方が良いでしょうとお話した。
あと、吐き気でとどまらず実際に吐いてしまうような状況だと、『柴胡桂枝湯』も飲んだそばから吐いてしまう可能性があるため、そのさいには水に溶いてスプーンで少しずつ舐めるように服用する方法を教えた。
『ヘパリーゼ』の小分けを買われる常連のお客様から、『ストッパ下痢止めEX』の試供品を求められたため、食中りの時には使わないようお話して渡したところ驚かれた。
そもそも吐いたり下痢をしたりというのは毒素を早く出すための生体反応なので、 ストレスであるとか冷たい物を飲みすぎたというような下痢とは区別しなければならない。
アルコールの飲み過ぎによる下痢も同じで、吐くのと同様に体外に排泄して生命を維持しようとしているのだ。
ただし、水分も出てしまうため水分補給は欠かさないこと。
その水分も普通に飲むと吐いてしまうし、体に吸収できずに排泄されてしまうので、やはり舐めるように飲むか、ゼリー飲料を使うと良い。
漢方薬では、冷たい飲み物を飲みすぎた時の下痢には『胃苓湯』が適応し、アルコールによる下痢や二日酔いには『五苓黄解』を用いて、食中りには『柴胡桂枝湯』が解毒を助ける。
そして食中りの下痢の場合は、毒素の排出が目的だから、吐き気があるかどうかというのは目安の一つになる。