ノロウイルスにリン酸の効果はどれほど期待できるのか

 お客様から、『手ピカジェル』と『手ピカジェルプラス』と『手ピカスプレー』について質問を受けた。
 前の2つは基本的には同じだが、プラスとスプレーにはリン酸が添加されていることでノロウイルスにも対応できる可能性が高いことと、スプレーにはアラントインが含まれていて手荒れを防ぐことが期待できますと説明したところ、『手ピカスプレー』を購入された。
 実のところリン酸の効果はどれほど期待できるか分からないが、厚生労働省のサイトに掲載されている平成21年度の「ノロウイルス不活性化条件に関する報告書」(PDFファイル)には ph 3.0での酸性条件が不活性化を示し、エタノールとの相乗的な効果をもたらすとある。

 若いお客様がのど飴を求めて来店し、消毒系と抗炎症系の物があり、その両方を混合した物もあることを説明した。
 しかし症状を尋ねると、家族からの頼まれ物でよく分からないとのことで、結局『ヴィックスドロップ』を選ばれた。
 毒にも薬にもならない、ただの飴に近い物だ。
 まぁ、殺菌効果はあるか。
 ご本人には、喉の痛む場所と痛み方を確かめて下さいと伝えた。
 喉の手前が痛むようであればウイルスや花粉など外部からの異物の侵入と戦って炎症を起こしてる可能性があり、喉の奥が痛いようなら胃炎や逆流性食道炎など別な原因が考えられる。
 また、ズキズキして喉が腫れているようならば扁桃腺炎の可能性が高いし、ヒリヒリしたりイガイガするようなら体内の乾燥が考えられる。
 どちらも、炎症であれば消毒系は力不足だから抗炎症系の方が適応するし、胃炎や体内の乾燥には保水が必要なので、のど飴では対応しきれず『麦門冬湯』のような物が必要になる。

 お客様から、耳の中がガサガサすると相談され薬を求められたが、『ナリピタン』などが適用するとも思えず、他に目眩などの随伴症状は無いようなので、まつ毛が目に入ると大きな物が入ったと感じるように、小さな毛や埃が耳に入ったらかもしれないとお話しして、経過観察を勧めると安心されたのか、お帰りになった。
 下手に綿棒を使うと奥に押し込んでしまう可能性もあるため、お風呂に入って湿気で症状が止むかを確かめてみるよう伝えた。

以下の記事も読まれています。


 
登録販売者から一言 壱の巻 登録販売者から一言 肆の巻「おくすり手帳と個人情報の使い方」 市販薬購入前チェックシート