薬の買い物を頼むときに伝えておいてほしいコト

 お客様が『セキトローチ』を求めて来店した。
 ネットで見たという成人の息子さんから頼まれたのことで、パッケージデザインが違うものの同じメーカーから同じ処方の『セキトローチ』が出ているのでそちらを案内した。
 ただ、肝心の咳の状態については不明で37.5度の発熱があったということから、体内が乾燥してる可能性を説明したうえでお買い上げいただいた。
 しかし、発熱の咳となると『セキトローチ』に入っている鎮咳去痰成分のフェノールフタリン酸デキストロメトルファンと、気道を潤すグアヤコールスルホン酸カリウムだけでは力不足なのではなかろうか。
 解熱剤の入っている風邪薬ではなくあくまで咳止めだけということであれば、『ルキノンせき止め錠』の方が効果的だと思われる。
 頼まれ物だから仕方がないけれど、ネットで見たというのが、ただ見ただけなのか他の物と比べての判断なのかで話が変わってくる。
 できれば薬を指定するのではなく、現在の症状と、いつからか、他に起きている症状は無いのかということを伝えて買い物を頼んで欲しかった。
 お客様には、体内の保湿のためにこまめな水分補給と、豚汁の具材で消化の良い食事をと勧めた。

 やや高齢のお客様が雑貨を購入されるさいに、家にいる娘さんに口内炎の薬を買ってあげようかと言っている声が聞こえたので、口内炎の外用薬には抗炎症系と修復系とがあり、さらに抗炎症型にはより強いステロイド剤があることを説明した。
 口内炎の状況によって使う薬が違うので、本人でないと選ぶのは難しいことを伝えると、「初めて知ったと」言われた。

 お客様から、咳の相談を受けた。
 のどの痛みもあり、昨日からで夜が激しく痰も出るとのことから『ブロン錠』と『ルキノンせき止め錠』を案内し、『五虎湯』も紹介してみたが漢方薬と聞くと嫌そうだった。
 『ルキノンせき止め錠』を選ばれ、『セキトローチ』と一緒に服用して良いか尋ねられ、トローチはあくまで剤形であって成分によって判断することを説明したうえで、併用は不要であることをお話しした。

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