お客様から、風邪の後に咳だけが残ったと相談を受けた。
風邪で上半身が乾燥している可能性を説明し、私としては定番の『麦門冬湯』を案内したところ、総合風邪薬で同じ効能の物をと頼まれた。
ううん、そもそも総合風邪薬自体が神経に働きかけて熱や咳などの症状を押さえ込む事で起きる副作用が、体内の乾燥だから、同じ効能の総合風邪薬は無いし、現代薬にも皆無だ。
漢方薬には、効くまでに時間がかかるというイメージがあったりするから、それが理由だろうか。
試しに『葛根湯』を引き合いに出して、「風邪の初期には葛根湯」という言葉があるように、漢方薬も急性症状に早く効く物がある事と、今回は風邪の後なので『葛根湯』は用いないというように、適材適所で薬を選んだ方が効果的ですよと説明してみた。
それで購入を決めて頂いたため、本当に総合風邪薬を希望していた理由を解き明かさないままにしてしまったのは、後から考えたら軽率だったかもと思ったり。
ついつい、多くのお客様を数パターンに分類しがちだけど、もしかすると初耳という理由もありえたかもしれない。
初心に返らないと、それこそシッペ返しがありそうだ。
やや高齢のお客様から不眠の相談を受け、それぞれ成分が違う『ウット』と『ドリエル』を案内した。
『ウット』の主成分であるブロムワレリル尿素は、太宰治が自殺をするのに用いたという曰くつきの催眠鎮静効果のある薬。
とはいえ、実際には大量に服用しても自殺するのは難しいらしい。
睡眠薬自殺に使うのは、無駄ですよん。
……話が逸れた。
『ドリエル』の主成分は、鼻炎薬や痒み止めに用いられるジフェンヒドラミンで、その鎮静作用に因る眠気の誘発という副作用を利用している。
私も不眠に悩まされた時に、手持ちのアレルギー薬にジフェンヒドラミンが含まれていたので、睡眠薬代わりに用いた事が……ゲフンゲフン(( +д+))o=3=3
『ドリエル』は、あくまで「睡眠改善薬」であって「睡眠薬」ではありません、念のため。
それに、睡眠薬関係で良く言われる「継続していると効かなくなってくる」のは、このジフェンヒドラミンで、3日~1週間程度で、効果が感じられなくなるとも云われており、それでも量を増やして飲み続けようとしてしまう精神依存が心配される。
というような事が、頭の中を駆け巡った訳ですよ。
お客様から、「良く効くのを」と言われて。
私としては、漢方薬で『柴胡加竜骨牡蛎湯』とか『半夏厚朴湯』とかを勧めたかった。
でも、漢方薬には微塵も興味を持って頂けなかったため、やむなく両者を案内した次第。
試すには錠数が多いという事で、今回はどちらも買わずに帰られた。
買われなくて、内心ホッとしたけど、眠れない状況など、もっと詳しくお話を聞き出したかった。
また、来て頂けるかしらん。
あっ、普段は書かないけど念のため日記に付け足し。
睡眠改善薬を積極的に勧めないのは、あくまで私の方針であって、勧めてくる医療従事者を悪く言うのはやめて下さいね。
「人殺し」だの「悪魔」だの「ユダヤの陰謀」だの、ネットで見かけますが、見るに耐えません。
ちゃんと相談して頂ける今回のような患者さんであれば、むしろ心配する事は無かったかもしれないし。
ウット には十分に注意してください。小包装で誰でも購入出来、裏社会で通用してますので。人を変えて大量に購入してますので。管理の甘い店が狙われます。店の姿勢を示すためにも、たとえ需要があっても一ヶ月の在庫量決めておいたほうがいいと思います。とは言っても、売上のため分かってて売っいる店もあるのが現状です。
そんなに、裏で流通してる物なんですか(;´・ω・)
連日のように、新トニン咳止め液を買うお客様がいらしたので、ある時販売を断ったら、近くの店で買い込んだらしく、元の木阿弥なんて事がありましたが……。