患者さんにヒアリングすることの難しさ

 お客様から胸焼けの相談を受けヒアリングしたのだけれど、胃痛は無く、水を飲んだ場合とお湯を飲んだ場合との症状の違いは不明だとのこと。
 水を飲んで楽になるのなら胃炎の可能性があり、お湯を飲んで楽になるのなら胃の機能が低下していると考えられるのだが、なんとも手がかりが少なくて困る。
 とりあえず胸焼けに焦点を合わせて、『パンシロンG』と『スクラート胃腸薬』を候補にした。
 すると、食べた物が上がってくる感じがすると言うので、『半夏瀉心湯』を案内して試していただくことになった。
 患者さんも困っているけれど、こちらも情報が少なくて困ったという感じで応じると追加情報を得られることがある。
 ついつい色々と説明してしまいがちだが、やはり聞く姿勢というのは大事だ。

 やや高齢で『スルーラックS』を常用されているお客様が、『パンシロン01+』と『第一三共胃腸薬』を持ってきて、食べるとすぐに満腹になってしまうと相談された。
 『スルーラックS』を繰り返し買われるのが気になり、今まで何度か声をかけてみたのだが応じてもらえず、2年ほど経過して初めてのことである。
 お客様は痩せ方で、スープを飲むとそれだけで満腹になり具まで食べられないというお話から、『ギャクリア』(六君子湯)を紹介してみたが、今日のところは考えてみるとお帰りになった。
 ミネストローネのように具を溶かし込んであるようなスープを試してみるようお話したうえで、以前にも何度か云っているのだけれど受診勧奨した。

 やや高齢のお客様が、成人の息子さんが仕事で病院に行けないからと精神安定剤を求めて来店されたのだけれど、処方されている薬が不明のうえ、精神安定剤は市販もされていないことを説明すると、一旦お帰りになった。
 しばらくして、お薬手帳を持ってこられたので処方されている薬を調べてみると、ベンゾジアゼピン系安定剤の長期作用型だった。
 ベンゾジアゼピン系は脳の働きを抑制することで不安感を和らげたり眠気を催し、重篤な副作用が少なく比較的安全ではあるものの依存性はあるため、やはり医師の監督下での使用に限られるから、こういう薬をお店で買えると思われては困るんである(^_^;)
 現代薬の『ウット』や『ドリエル』などは影響を考えると避けたいところで、息子さんはどうやら、緊張に弱いことと仕事の時間が不規則というお話から『ナイトミン』(酸棗仁湯)を案内して、お買い上げいただいた。
 そしてお客様には、お薬手帳に『酸棗仁湯』をメモして処方薬と市販薬を一冊で管理し、担当医には使ったことを報告するようお願いした。

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