お金と手間と苦しみとのバランス

 やや高齢の常連のお客様が、頭の掻き傷に他の登録販売者から『ヒビケア』を勧められて使ってるとのことで、そのまま使って良いか尋ねられた。
 傷が治れば『ユースキンA』に乗り換えて予防し、また傷ついてしまった時に『ヒビケア』を使うようお話して、今回は『ユースキンA』をお買い上げいただいた。
 このお客様は以前に処方薬の副作用で起きていた目眩(めまい)を、友人から「酒を飲み足りないからだ」と言われて余計に飲まされたということがある人なので、本人より友人関係の方が心配である。

 お客様から『のびのびサロンパス』と『アスコラルL』の違いを尋ねられ、基本的には同じ成分の弱めの鎮痛剤で、後者には消炎作用のある生薬のアルニカチンキが配合されていることを伝えた。
 11歳の子供が捻挫をしたそうで、家にある『バンテリン液』を塗ったと言うため、そちらを優先してはと提案したが貼る方が治る気がするとのことで、『のびのびサロンパス』を購入された。
 それから、インドメタシン製剤である『バンテリン』の方が鎮痛効果は高いものの、年齢制限があることを説明すると驚かれた。
 まぁ、『バンテリン』は11歳から使えるから問題は無いのだけれど、大丈夫だったのは偶然だからなので必ず年齢制限などの注意事項を確認するようにお話した。

 若いお客様から花粉症の目薬を求められ、安い物をとの希望だったので『ロートアルガード』を案内して、お買上げいただいた。
 養生として、お腹周りを温めて温かい物を積極的に飲むようお話すると「面倒だ」と言われてしまったが、お金をかけて薬を買い手間を省くか、手間をかけて薬代を浮かせるか、そして何より苦しいのを我慢できるかとの比較ですと伝えた。

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