やや高齢のお客様から口内炎の相談を受け、口の中を噛みやすく今回も噛んだというため、消炎作用の強い『ケナログA』を勧めた。
同じく消炎作用の強い『トラフルダイレクト』を案内すると、貼る物は考えていなかったようだった。
というより、口内炎にパッチタイプの貼り薬があるのを知らなかった模様。
こうやって初めに相談してもらうことで、お客様が知らなかったことや想定していなかった物を案内するのがしやすくなる。
すると、『キャベジンコーワα』もレジに持ってきたため常用してるのか尋ねると、息子さんに勧められてよく服用するというお話。
しかし若い人と違って、加齢により腎機能が低下してくるとミネラル成分を処理しきれなかったり塩分過多になってしまう可能性があるので、胃薬を常用する場合は成分に気をつけてもらいたいところ。
息子さんも良かれと思って勧めたのだろうけれど、勧めるのは薬そのものではなく専門家に相談をするという行為を勧めてほしい。
お客様の主訴は胸焼けのようなので『半夏瀉心湯』を案内したところ、病院で血圧の薬が処方されていると分かったものの内容は不明だった。
飲み合わせに問題は無かろうが、担当医には市販薬を使ったことを報告するようお話して『ケナログA』と『半夏瀉心湯』をお買い上げいただいた。
そしたら足の痛み止めに『カロナール』が処方されてることも分かり、旅行に持っていくというので、それこそ旅先での事故や災害に備えてお薬手帳を持ち歩くよう勧めた。
『葛根湯』をレジに持ってきたお客様に、喉の痛みや咳には適用しないことを伝えたところ、11歳の子供が頭痛とのことだったが痛み方は分からないという。
店頭で診断はできないけれど頭痛の痛み方から原因が類推できることはあり、場合によっては医療機関を勧めなければならないという事態も考えられるので、子供はもちろん人の薬を買いに来る時には症状を良くヒアリングしてきてもらいたい。
ズキズキする頭痛なら胃の不具合と関係があることを説明すると、子供は腹痛も訴えていると分かり、『葛根湯』は胃に負担が掛かってしまうため、『柴胡桂枝湯』に変更となった。
このように、お客様が選んだ薬が患者に適応しないと考えられるケースは少なくないから、やはり最初に相談してもらいたかった。
子が親を気遣い、親が子を想うのは素晴らしいことだけれど、なればこそ私たち専門家を利用してほしい。
「立ってる者は親でも使え」なんて言葉があるけれど、ドラッグストアーの登録販売者は立ってるだけじゃないんである。
子供は食欲はあるとのことだったが、脳がエネルギーを欲しているから感じている錯覚の可能性が高いため、食欲に任せて食べさせずに、量を控えて消化に良い食事をさせるよう勧めた。