御主人が口内炎とのことで、お客様から相談を受けた。
塗り薬として『ケナログ』を案内したところ、薬の名前は分からないが以前に塗り薬を使った事があり、すぐに取れてしまうのを嫌がっているそうなので、『大正パッチA』を案内してお買い上げ頂いた。
ただ、口内炎を繰り返していて、口の骨格が影響しているのではないかと思うというお話をされた。
なるほど確かに、関係有るかもしれない。
私なんか、顎の骨の手術で上下の歯を四本も抜いたもんだから、口の中が小さくなって舌を噛みやすくなってしまった。
同じように、顎の骨格の形によっては、口の内側を間違えて噛みやすく、それで口内炎になりやすい可能性は考えられる。
そごて、確認してもらいたい事として、顎が無意識に動いてしまう事が無いか、ご本人に尋ねてみて下さいとお願いした。
経験した事のある人もいると思うけど、うたた寝していて体がビクッと動くのと同じように、動かそうと思っていないのに、顎が動いて頬の内側や舌を噛んでしまうのは、脳から異常な信号が出るからで、それはストレスが原因だったりする。
ちなみに、専門用語で「ジャーキング」と云うそうな。
そして、口内炎の多くの原因はストレスによる胃炎だったりするから、口内炎はストレスと切っても切れない関係にあるのだ。
ご本人は特にストレスを口にした事は無いようだけど、私みたいにネットに愚痴は書いても、奥さんには仕事の話は一切しない人もいるし、そもそもストレスというのは精神的な変動が肉体に掛ける負担の事なので、楽しい事もストレスとなって現れたりする。
もし、本当に骨格が影響していると思われるのであれば、大学病院で顎関節の検査を受けた方が良い事と、ストレスが思い当たるようであれば内服薬として『半夏瀉心湯』を試してみるよう勧めた。
私なんか、子供の頃から通っていた歯科医では何も言われなかったのが、たまたま高校の帰りに通学路の途中で都合が良いからと飛び込んだ歯科医で「大学病院に行った方が良い」と紹介状まで用意されて、大学病院で検査を受けたら顎関節異常症と診断されたうえ、「珍しい症例だから、学会で発表させて欲しい。手術費用は大学病院で出します」という話になって治療をした次第。
通院していた行きつけの歯科医は、腕は悪くなかったんだけど、受付の歯科助手は態度が悪かったから、早くに別な歯科医にも行ってみるべきだったなと後悔したもんである。
あれ(;・∀・)?
あっ、だから何が言いたいかというと、治療の技術と、症状の診断は、また別な能力だったりするので、セカンドオピニオンの意味でも、別な医師に診てもらうのは有効ですよ、というお話。
風邪の常備薬を買いにいらしたお客様から、どの「総合風邪薬」が良いかと尋ねられた。
実のところ、薬剤師や登録販売員によって方針が違うだろうから一概には言えないけど、私は「総合風邪薬」は否定派である。
複数の症状に効くと謳っている総合風邪薬は範囲が広いだけに、風邪と戦う体の側にまで攻撃を及ぼしてしまう。
特に、悪寒が出るタイミングは熱を出してウイルスと戦うために力を溜めている時で、そこで発熱を抑えるというのは、高くジャンプしようと屈んだところに蹴りを入れて引っくり返してしまうようなもの。
風邪の症状を軽減できたとしても、体力も同時に弱めてしまうから、回復に時間を要したりする。
だから、症状に合わせてピンポイントで攻撃する方が、体力を温存しながら回復できる可能性が高い。
そのために、「熱かぜ用」・「喉かぜ用」・「鼻かぜ用」・「胃腸かぜ用」というように、複数を常備しておくのを勧めている。
漢方薬で云えば、発熱前の初期の『葛根湯』、発熱してからの中期の『麻黄湯』、解熱後や胃腸炎のある後期の『柴胡桂枝湯』の三種を常備薬にしておくと、戦い易い。
とはいえ、戦い方を選ぶのは、やはりお客様自身。
武器の選定にアドバイスはすれども、決定するのは戦う本人である。
だから、持論はあくまで補足となるように、お客様の要望に付け足す程度に収めなければ……、とは思ってはいるものの、つい力説しそうになる(;´∀`)
今回のお客様の場合は、喉の風邪になる事が多いらしく、以前は『パブロンエース錠』を利用していたそう。
だとすれば、『パブロンエース錠』は選択として合っている方なので、比較として『ベンザブロックLプラス』と『ルルアタックEX』を紹介したところ、『ルルアタックEX』をお買い上げ頂いた。