お客様が『整腸薬ラクサレット』と『ザ・ガード整腸錠α³+』と『第一三共胃腸薬』を一緒に購入されるので、念のために使い方を確認してみた。
整腸薬は飲み比べたいとのことだったが、『第一三共胃腸薬』は併用するつもりだったことから、マグネシウムなどの鉱物類が重複すると腎臓に負担がかかることを伝えた。
また、体内に入る乳酸菌は体にとっては初めは敵でもあるため相性が効き目に影響することと、その乳酸菌と体が仲良くなるまでの期間が2週間は必要なこともお話した。
やや高齢のお客様が『セイロガン糖衣A』をレジに持ってきたさいに『正露丸』と違うことをお話したところ興味を持たれたので、処方構成を説明した。
大幸薬品の『正露丸』は五つの成分で構成されているのに対して、『セイロガン糖衣A』は三つの成分であり、炎症や痛みを抑える成分を二つ抜いてあるのだ。
これは、もともと『正露丸』は食中たりなどに用いる内臓の消毒薬であり、一般に考えられているような単なる下痢止めではないから、そのための主成分である木クレオソートが入っていれば充分と考えられる。
しかしイヅミ薬品の『正露丸』は、下痢止めとして使われることを考慮してか、下痢止めの成分としてロートエキスを加えている。
本来、食中たりであれば悪いモノを早く体外に排出した方が良いから、下痢止めを入れてしまうのは好ましくないのだけれど、消費者のニーズに応える企業姿勢としてはありだろう。
ただし、それを使いこなすために消費者は勉強しなければならない訳だが。
今回の患者はご主人で、下痢はしていないそうだが、お腹がゴロゴロいうことと、お腹が痛むからと使っているらしい。
そこからすると、抗炎症と痛み止めの成分が入っていない『セイロガン糖衣A』は向いていないのだけれど、頼まれ物でもあるためそのまま購入された。
しかし腸内を消毒する『正露丸』を常用すると腸内細菌を殺してしまい、かえってお腹を壊しやすくなることをお話した。
また、ご主人はお酒を飲むそうなのでお酒の好みによってや、肴として食べるのに脂物を好むと、お腹を壊しやすいこともお話し、できれば本人に相談していただくのが一番ですと伝えた。