雲の上を歩くような目眩(めまい)は一度病院へ

 お客様が成人の息子さんから口内炎のパッチタイプの薬を頼まれたというのだけれど、患部の状態と場所は分からないという。
 炎症が強い場合の『口内炎パッチ大正クイックケア』と『トラフルダイレクト』に、日が経っていて患部の修復を促す『口内炎パッチ大正A』を案内してみると、家に『ケナログ軟膏』があるというので先に使ってみてはどうかと提案すると、帰られた。
 『ケナログ軟膏』は唾液と混ざると固まって患部に貼り付くようになるのだけれど、その感触が嫌なのか、それとも舌で舐めているうちに取れてしまうから貼るタイプを希望されたのか。
 いずれにせよ家族に頼むのであれば、患部の状態と場所も伝言しておいて欲しいところ。
 息子さんは口内炎を繰り返してるようなので、神経性胃炎が原因の可能性も伝えた。

 お客様が口内炎の薬を求めて来店し、患部が下唇の裏側なのでパッチタイプよりも軟膏を勧め、『ケナログ軟膏』と『トラフル軟膏PROクイック』を案内したところ後者を購入された。
 患部は炎症が強いようなので、内服薬なら『黄連解毒湯』が適応しそうに思える。
 また、胃の状態が口に現れやすいので、神経性胃炎の可能性を伝え『半夏瀉心湯』も紹介してみた。

 子供を連れたお客様が『ムヒSクリーム』と『ポケムヒ』を購入されるので、片方を局所麻酔のリドカインが入っている『ウナ』にして使い分ける方法もあることを伝えたところ、子供が以前に『ムヒ』でかぶれてしまったというのだけれど、『ウナ』シリーズのどれだったかは覚えていなかった。
 かぶれた原因が主成分なのか添加物でなのか分からないため、成分表示は取っておくようお話して、そのままお買い上げいただいた。
 そうそう、『キンカン』も駄目だったというので、痒み止め成分が入っておらず、代わりにトウガラシチンキの刺激によって痒みを誤魔化しており、血行良くする点からすると肩こりに向いていることを説明すると納得されたようだった。

 やや高齢のお客様が来店して、父親が喉の痛みを訴えており、風邪だと思うというお話だったのだけれどそう思う根拠は不明で、『ペラックT』と『駆風解毒湯』を案内しながら、普通の人でも1日に約50回は胃液が逆流していて、年を取ると荒れた所の修復が追いつくなくなり逆流性食道炎に気づかないこともありますとお話した。
 高齢者はもちろん風邪を警戒した方が良いが、喉の痛みは乾燥でも起きるし胃炎でも起きるので、薬を使うにあたってはなおさら注意が必要である。
 今回は『ペラックT』を試していただくことになり、もし発熱などは無く咳になるようなら『麦門冬湯』をと紹介したところ、自身の目眩(めまい)の相談を受け、以前は雲の上を歩くような感じになり、その後は回転性の目眩に変わったという。
 雲の上を歩くような目眩は血圧が関係すると考えられ、漢方薬では『釣藤散』が適応するが、病院に行ったことが無ければ脳梗塞などの前兆も考えられるため受診を優先したほうが良い。
 お客様は回転性の目眩の方を心配されたけれど、回転性の方が安心で水分代謝の異常が原因と考えられることを説明し『苓桂朮甘湯』を紹介した。
 一旦お帰りになってから戻ってきて、『ペラックT』を高齢者に使って良いか心配されたけれど、まず問題ありませんと伝えたうえで、どんな薬を使うにしても経過観察は必要なことをお話した。

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