車椅子に乗った高齢の方と一緒のお客様が漢方薬の棚で迷っている様子だったので声をかけたところ、患者はその高齢の方で、以前に咳止めに『麦門冬湯』を使ったことがあるとのことだった。
今回の主訴は粘つく痰で、パッケージに書いてある「咳き込み」が無いため迷っていたらしく、比較として『チクナイン』(辛夷清肺湯)を紹介したうえで、体内の乾燥を取り除き潤すのが目的ならば、咳は必須条件ではないことを説明した。
『麦門冬湯』も『辛夷清肺湯』も中身は胃薬で、胃の働きを整えると上半身の保水性が上がり、喉や鼻の症状を改善する。
病院に耳鼻咽喉科があるように鼻と喉はつながっていて、そのまま胃にまで通じているからだ。
今回は表のパッケージの文言だったけれど、効能に書いてある症状が全部起きていないからという理由で選ぶのを迷っているお客様には、けっこう遭遇する。
例えば喉の痛み止めの薬の効能に「口内炎」と書いてあると、喉は痛いけど口内炎じゃないからと買わないお客様もいる。
喉が痛むのも口内炎も同じく炎症なのだから抗炎症剤が有効な分けだが、成分の作用機序などを知らないと結びつかないらしい。
しかもこれが漢方薬ともなると、『牛車腎気丸』のように「下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難」なんて症状の共通性が分かりにくいものもある。
漢方的には目と腎が関係し、加齢によって腎が弱まると目がかすみ、腎が弱まっているのだから排尿困難とも繋がって、皮膚の痒みは保水力も影響するため水分代謝に腎の働きは重要であり、腎気の低下は神経の通りを悪くするので腰痛や痺れ感を起こす。
そして起きる症状の順番や軽重は人によって違うから、効能に書いてある症状が全て一気に起きるなどということも無い。
今回はお客様が本人にパッケージの適用についての文章を読み聞かせて確認し、『麦門冬湯』を購入された。
やや高齢のお客様から、 以前に購入したコラーゲンの取り扱いが無くなったのかという問い合わせを受けたのだけれど、メーカー名も商品名も不明なため調べようが無い。
他に、病院で処方されている薬を服用すると手に痺れ感が出るというお話もされた。
担当医に相談しても「聞いたことがない」と言われてしまい、調剤してもらってる薬剤師に相談すると医師に照会してみると申し出てくれたのに断ってしまったという。
ありゃん、どうして(^_^;)?
薬の内容を覚えていないし、医師との会話の詳細は分からないけれど、医師によっての得手不得手はもちろん相性もあるから、病院を変えてみてはとお話した。
できれば当てずっぽうに変えるのではなく、担当医から紹介してもらうよう勧めた。
医師が紹介状を書くのも保険点数があるから、普通は嫌がられないはずである。
外国人を連れたお客様から『新ウナコーワクール』と『プチウナコーワα』の違いを尋ねられ、後者の方が薬としては強く野外向けであることを説明した。
すると、プ『プチウナコーワα』の容量の大きい物は無いかと訊かれたので、『液体ムヒアルファEX』が似た処方であることを伝え、お買い上げいただいた。
外国人のお客様の方は免税を希望しているようだったので、空港の近くの店なら対応しているはずだから、同じ銘柄に限らず同じ成分の物を探してみてはと提案し、成分表示をスマホで写真に撮っておくことを勧めた。