同じようなスキンケアの塗り薬も成分によって用途が違います

 やや高齢のお客様が『新コンタック600プラス』を手にしたが、ヒアリングすると主訴は目元の痒みで、白内障や他の目薬を使用しているうえ血圧などの薬も服用しているという。
 しかも薬の内容が不明なため、『新コンタック600プラス』も含めて調剤してもらっている薬局に問い合わせてみるよう勧めた。
 しかし時間的に薬局が閉まっていることと、「他のドラッグストアならー何も聞かずに薬を売ってくれるのに!」と不満をぶつけられてしまった。
 でも患部である目元に『ベトネベート N 軟膏』を塗っているというのでビックリしたため、痒み止めの入った目薬を塗る方法を提案したところ、家にアレルギーの目薬があるということでお帰りになった。
 お薬手帳は家に置いておくより持ち歩いた方が災害時に役立つことを教えると、先ほどまでの不満の様子が嘘のようにお礼を言われた。

 やや高齢のお客様が、成人の娘さんからアトピーに『ユースキン』を頼まれたというのだけれど、『ユースキンA』でも『ユースキンS』でもないと言って、正確な製品名が分からず「他の店にも置いていない」というので季節的に『ユースキンI』かなと思い、スマホで検索した画像を見せるとその通りだった。
 季節商品は、オフシーズンになるとメーカーに返品しなければならないのだ。
 決められた期間に返品すればメーカーが送料を負担して引き取ってくれるのて、それを過ぎて残していると在庫過多ということで本部から怒られてしまう。
 似た処方では『メンソレータムAD』などが考えられるものの、頼まれ物のため本日は帰られた。
 ただ、『ユースキンA』はベタつくというお話があったので、塗り過ぎと考えられることを説明した。
 『ユースキンA』にはビタミンA油が入っており、確かに塗り始めはベタつくのだけれど、少量を良く伸ばせばそんなことはなく、ベタつくということは効果を期待してか、塗り過ぎなんである。
 あとお客様は、娘さんと一緒に使っていると言っていたけれど、お客様は乾燥肌に使うというため、成分からすると『ユースキンI』には保湿成分は入っていないので、別な物を使った方が良いとお話した。
 一見同じに見えるスキンケアの塗り薬も成分によって、痒みや炎症を止めるのと、血行促進による患部の再生を促すの物と、保湿成分との組み合わせで用途が違うから注意が必要。
 そして今回のように、特定の銘柄は季節により店頭に置いていないことがあっても、実は似た処方の別な薬は通年であったりするから、銘柄を限定せずに店頭で尋ねてもらった方が困らないはずである。

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