市販薬の販売は自動販売機になるべきかならざるべきか

 やや高齢のお客様から目の洗浄薬を求められ、具体的な痒みや炎症があれば『アイボン』や『アイボンWビタミン』を使い、ケアだけなら『ロートビタフラッシュ』をと案内した。
 すると、コンタクトを外した後の乾燥感とのことだったので『アイボンうるおいケア』を勧めたが、ミニタイプが欲しいとのことで『アイボンWビタミン』をお買い上げいただいた。
 養生として、入浴して血行を良くすることが大事とお話したのだけれど、興味は持たれなかった。

 小学生の子供が口内炎とのことでお客様から相談を受け、炎症が強い時向けの薬と患部の修復向けの塗り薬を案内したところ、発症したのは数日前で、日が経っているもののまだ患部の痛みが強い模様。
 『トラフル錠』を飲んでいたというので継続を勧めると使い切ったとのことから、抗炎症効果の強い塗り薬の『ケナログ』を提案してお買い上げいただいた。
 相談せずに薬を買うお客様の中には、使っていた薬での効果が弱いにもかかわらず、同じ物を買っていかれる人も少なくないため、こうして相談してもらえるのが一番。
 子供はシャワーで過ごしているようなので、患部の修復には材料を運ぶ血流が大事なため入浴が良いことと、炎症を抑えるためには夏野菜など体を冷やす食材を避けるようお話した。
 特に口内炎の時にはキュウリやトマトといった野菜が気持ち良かったりするけれど、体の方は炎症を起こして治したい理由があるため、冷やすと「もっと炎症しなくちゃ!」と頑張ってしまうんである。

 やや高齢のお客様が、『クロキュア』と『イハダプリスクリード』を購入されるので、両方の用途を確認しようと思っていたところ、お会計時にクレジットで精算した後にポイントカードを出され、お会計をやり直したためお話する時間が取れなかった。
 『クロキュア』の方が皮膚の保湿と再生を手伝い、『イハダプリスクリード』の方が炎症や痒みを抑えるものだから、同じ患部に使うのだとすれば『イハダプリスクリード』の方を先に塗るように伝えたかったのだけれど、知っているのかどうか。
 医師から指導を受けたことがある人なら、知っていると思われるものの、それはヒアリングしてみなければ分からない。
 店員に声をかけられたくないという人は多く、相談したい人は自分からしてくるのだから、訊かれない限りは自動販売機に徹するというのも悪くはないと思っても、食べ過ぎの腹痛に鎮痛剤を使おうとする人もいるため、適切な使い方を理解してるか心配になってしまうんである。
 それから、お客様はカラ咳を何度もしていたため養生法を伝えたいところだったのだが、体内が胃炎などで乾燥してる可能性をお話したところで、「風邪だから」と帰られてしまった。
 う~む、何か買わされると思われたか……。

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