やや高齢のお客様から、痔の相談を受けた。
と言っても、すでに病院には通っていて座薬が処方されているという。
相談の内容は、「切るしか無いのか」「切れば治るのか」と、担当医にこそ訊いて頂きたい事で困った。
いや、まぁ、不安とかそういう事なんだろうけど。
担当医からは、特に手術の話は出ていないそうで、やや先走り気味でもある。
内服薬として『乙字湯』を紹介しつつ、担当医に相談してみるようお話してみた。
『乙字湯』には興味を示されなかったが、何故か後で紹介した『蓮神(レンシン)』には関心を示された。
ただ、『蓮神』はそれこそ入手ルートが限られている。
そのため、近くの漢方薬専門を掲げている薬局を案内した。
そういや知らなかったけど、『蓮神』を作っていたオノジュウは会社整理した後に、レンシン製薬株式会社として再建していたのね。
ううむ、うちのお店に入荷できないものか。
以前に膝の痛みの相談を受け、『桂枝加苓朮附湯』を勧めたお客様が、効果があったらしく追加を購入しにいらした。
そこで、長く服用を続けなければならないのか、長く飲み続けて大丈夫かと質問された。
効いたからといって安易に飛びつかずに確認するという姿勢には、ちゃんと応えたいところ。
水分代謝を改善して温めて治すというのが主な効果なので、頓服のように、その時々に服用するという使い方ができることを説明。
実のところ、台風などで湿気が多くなると膝が痛んで階段の登り降りも困難になる私自身が、こういう使い方をしている。
また、どんな薬でも長期連用の場合は経過観察が必要であるものの、適宜増減する使い方もあるため、惰性で飲み続けるというのでなければ大丈夫である事を、お話した。
寒い季節の間だけとか、秋雨や梅雨時といった、一定の期間に一日1回という使い方も考えられる。
そこで、症状や状況が変わった時に乗り換える候補として、血流改善の『疎経活血湯』と、より温める効果のある『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』を紹介したところ、親類に漢方薬に詳しい人がいるので、その人に相談してみるとの事だった。
ありゃん、もっと早く相談するのが難しかったのかな。
なんにしても、相談先は多い方が良いです。
お客様から、3歳児の風邪薬の相談を受けた。
今の症状は鼻水と咳で、微熱はあるものの正確には計っていないという。
主訴から、『かぜシロップ』より『鼻炎シロップ』の方を提案した。
そして『葛根湯』も案内はしてみたが、お客様の話しぶりからすると、薬を服用させるのを避けたいような印象を受けた。
確かに、今の症状からすると、普段よほど偏食をしているとか栄養不足だったり、一見して分かるほど虚弱な様子が無ければ、自然治癒する可能性が高い。
そこで、温かい飲み物と消化に良い食事を与えて、積極時に体を温めるよう勧めてみたところ、安心した様子で帰っていかれた。
やっぱり、できるだけ薬を避けたくて、その後押しをしてもらいたかったのかな。
とはいえ、子供の風邪は急変が怖いので、別室で寝かしたりせずに目の届くところで寝かせて、熱は小まめに計るように付け加えておいたけど。
オノジュウ創始者の小野十社長は満州帝大、シベリヤ抑留、大正製薬といろいろあります。ロシア語堪能だったので、なかなか帰してもらえなかったそうです。大正の上原正吉と喧嘩し飛び出しました。オノジュウはドラッグストアに対抗する小売店の為にできた会社。レンシンは何十年も前から既に結果の出ている薬なので間違いないのですが、生活習慣が絡む痔は、レンシンと養生法を添えて販売しないと結果は出ません。カウンセリング時間の取れないドラッグストアでの扱いは無理と思いますね。それら、安易な痔の手術は慎むべきですね。今、人工肛門の方がいかに多いか。
オノジュウの社名の由来が、創始者の姓でしたか。
時代的にも、興味深いエピソードが多そうですね。
痔は、確かに薬だけでの治療は難しいですから、自分の時にも苦労しました(;´∀`)
自分は、そのレンシンで改善したので、ぜひ紹介したいところなのですが。