店頭で訊かれない情報の提供は不要?

 お客様が『ノーシンピュア子供用』を購入しようとされたけれど、眠くなるかもしれないことを伝えたところ、すでに塾に行くのに飲ませたという。
 主訴は頭痛で、眠くなる成分の入っていない『バファリンルナJ』を案内して変更となった。
 鎮痛剤に種類があるように頭痛にも種類があることを説明すると、肩こりは思い当たるようだった。
 ズキズキするような偏頭痛は胃の不具合が関係し、締め付けられるような頭痛は肩こりと連動していることが多い。
 前者は体を休めて消化に良い食事をすれば症状が軽減して、後者の場合は血流を良くするために運動したり『葛根湯』を服用するのが対応策となる。

 お客様から蕁麻疹に飲み薬を希望され、『レスタミン錠』と『アレルギー錠』の他に『ムヒAZ錠』を案内したところ、パッケージに明確に「抗ヒスタミン」と書いてあるという理由で『レスタミン錠』を購入された。
 ネットで「抗ヒスタミンが効く」と見たそうで、確かにその通りなんだけ『ムヒAZ錠』の主成分のアゼラスチンは他の物に比べて眠気や口渇などの副作用が少ないことを説明したのに、パッケージには「抗アレルギー薬」と書いてあるから駄目らしい。
 「抗アレルギー薬」の枠の中に、「抗ヒスタミンが効く」が含まれるんだけどねぇ。
 「抗ヒスタミン薬」の方が即効性があって、「抗アレルギー薬」は効くまでに時間がかかるとする資料もあるんだけど、アゼラスチンは「抗アレルギー薬」の中でも即効性を期待できる。
 まあ、最終的には患者さんの判断ではあるとはいえ、仮にも専門家の説明よりも、誰が書いたか分からないネットの情報を優先されるのは切ない(´・ω・`)

 お客様が『ポケムヒ』を求めて来店したけれど、季節商品ですでに返品してしまっていたため、『液体ムヒS』を案内しつつ、『ポケムヒ』よりも炎症に対して効果的なことを説明し、家にステロイド剤があれば代用できることと、他にジフェンヒドラミンの入った塗り薬なら同様に使えることを説明した。
 海外旅行に持っていくというので、なおさらステロイド剤の入った『液体ムヒS』の方が役に立つと考えられることをお話して、お買い上げいただいた。
 すると『葛根湯』も持っていくというため、風邪にも胃腸炎にも使える『柴胡桂枝湯』を紹介するさいに、『葛根湯』は胃に負担がかかることを伝えたのは、余計だったかしらん。

以下の記事も読まれています。


 
登録販売者から一言 壱の巻 登録販売者から一言 肆の巻「おくすり手帳と個人情報の使い方」 市販薬購入前チェックシート