成人の息子さんの代理で来店されたお客様から、腰椎椎間板ヘルニアの相談を受けた。
中学生の時にスポーツをしていて発症し、一旦は治っていたものが、昨夜に突然再発したとのこと。
就職活動中で、なんとかしてあげたいというのだけれど、コルセットを持っているものの本人が使いたがらず、そのうえ前回の時に幾つかの病院を巡っても良くならず、最終的には自分で筋トレをして治った体験から、今回も病院に行くのを拒んでるそうで、なんとも対応に困る。
幾つかの病院で受けた治療の経緯や内容を時間をかけてカウンセリングするのは、ドラッグストアでは手に余る話しだし、なまじ若い時の体験というのは、失敗体験にしろ成功体験にしろ尾を引きがちで、こちらが本人に入り込む余地があるかどうか。
応急処置として、外用鎮痛剤の『インドメタシンゲル』と、内服薬で『疎経活血湯』を案内してお買い上げ頂いたが、改めて整形外科を受診するように勧めた。
歳を重ねれば、体の仕組みも変わる。
以前に効果のあった治療法が、使えなくなるのは、むしろ当たり前。
私の場合、鼻炎に用いていた『小青龍湯』では上半身が暑苦しくなって今では年寄りが使う『香蘇散』や『麻黄附子細辛湯』でなければ駄目だし、喘息に使っていた『麻杏甘石湯』や『五虎湯』では冷え過ぎてお腹を下してしまうため、『麦門冬湯』や『半夏厚朴湯』でないと使えなくなってしまった。
腰椎椎間板ヘルニアを筋トレで治したというのは、若い時だけの力技みたいなもの。
就職してからでは、なおさらじっくりと治療するのは難しいだろうから、今のうちに適切な治療を受けて欲しい。
中学生の息子さんの代理で、お客様が来店。
最初は「のど飴を」と要望されたため、医薬品か医薬部外品かを尋ねたところ、医薬品ということで『南天のど飴』を案内した。
接客術として、ひとまず要望の品を提示したうえで、本題の「誰」が「どんな症状」で「いつからか」といった情報の収集に取り掛かる。
でないと、話も聞いてもらえず、時として誤った選択をした薬を購入され、お店にも良い印象を持ってもらえず、双方ともに損をするハメになったりしてしまう。
とはいえ、正直言って面倒臭い(・´з`・)
「も~、最初から言ってよ=3」という事は、今まで数知れず。
今回は症状を尋ねると、主訴は喉の痛みで、息子さんから頼まれたという。
これは、本人の症状を把握していないパターンが多い。
なにしろ、頼む方も気軽に頼んでいるため、自分の症状を伝えていなかったりするから。
それでも頼まれた側が症状を観察している事があるから、手探りで本人の様子を丁寧に、でも煩わしくなり過ぎないように気をつけながら尋ねていく。
すると、どうやら喉の痛みに本人が乾燥を感じているようだと分かったため、『麦門冬湯』が頭をよぎった。
しかし、体力がありそうで効き目が穏やかになってしまうと思い直し、『駆風解毒湯』を提案した。
のど飴は頼まれ物であるので、『南天のど飴』と一緒に購入して頂けた。
本当なら、『駆風解毒湯』だけで十分なはずだけど、頼まれ物では仕方がない。
抱き合わせで商品が売れて、「やったぜヽ( ´ー`)ノ」ってなもんである。(←マテ)
椎間板ヘルニアは「緩み体質」が起因ですね。同じ仲間には胃下垂、子宮脱、脱肛などがあります。体を緩ませている何かが有ります。治療は当然、その反対の「引き締め」る何かが有ります。そうそう、額のシワも緩み体質からきますから、望診のチェッポイントになります。若いのに額のシワ、内臓がうかがい知れます。
ああ、「緩み体質」のことは失念していました。
漢方の講習会で教わったはずなのに……。
額のシワの件も、すっかり忘れていて。
復習しないとダメですね(´・ω・`)