お客様から胃の不調の相談を受けたのだが、いつもは病院から薬を処方されていて医師に市販薬でも良いと言われたというお話なのだけれど、肝心の処方されていた薬が分からない。
処方されていた薬が分かれば、医師がどんな診断をしたのか推測もできるのに、胃薬というだけでは見当もつかない 。
しかし、ストレス性の症状を謳っている『太田漢方胃腸薬2』に興味を示されたので詳しくヒアリングしてみると、「恥ずかしいんですが……」と心療内科を受診していることを教えていただけた。
お客様には、心と体はつながっており、心の症状が体に現れることもあれば体の症状が心に影響することもありますとお話した。
例えば同じ怒りっぽい人でも、瞬間湯沸かし器のように怒ったかと思うと急にニコニコと笑顔になるような人は心臓の影響が考えられ、常にイライラしてるような人は肝臓の機能に問題がある可能性が考えられる。
また、何かと悲観的なことを考えてしまう人も、起きてもいないことを先取りして心配してしまうのは胃の機能が低下していて、 悲しい気持ちから気力まで下がってしまうようだと心臓の働きが弱っているといったように推測できる。
そしてこれらは逆もまた然りで、怒りっぽい人は心臓や肝臓を傷めやすく、何かと悩みやすい人は内臓の機能をも弱めてしまうのだ。
お客様が興味を持った『太田漢方胃腸薬2』は、起きていないことを悩んでしまうような内面的なストレスに適応し、同じくストレスを謳っている『爽和』は、生活環境が変わったり人からガミガミ怒られるといった外面的なストレスに用いることを説明すると、『太田漢方胃腸薬2』を購入された。
またお客様には市販薬の成分表示をお薬手帳に貼って、病院で処方してもらっている薬と一元管理するよう勧めた。
やや高齢のお客様から『熱さまシート』を求められ、発熱に使うのであれば38度以上の時には水枕にした方が良いとお話したところ、患者は成人の娘さんで41~42度あるとのことだった。
本人は病院に行きたがらず、授乳中のため薬も服用していないというので、授乳を中止してミルクに変更してはとお話してみたけれど、赤ん坊がミルクを飲まないとのこと。
赤ん坊はミルクを飲まなくても水分さえ適切に摂っていれば大丈夫なので、まずは母親の安全を優先するように伝えた。
それから不測の事態に備えて、市の救急医療情報センターに電話で問い合わせてみたところ24時間対応していると分かったため、お客様にも電話番号をお知らせした。
常連のお客様が来店し、繰り返す足の痙攣について通院している病院で相談したところ、他の病院への紹介状を書いてもらって行ってみたら精神科だったとのことで憤慨していた。
そこで、お客様に『ドキシン錠』を例に肉体と精神のつながりについて、お話した。
肩こりに使う市販薬に『ドキシン錠』と『コリホグス』があるが、その成分は異なり働き方も違う。
『ドキシン錠』に入ってる成分は病院では精神安定にも処方される物で、緊張による筋肉の張りを緩めることを目的にしている。
一方、『コリホグス』はといえば、筋肉のこわばりをほぐすことを目的にしていて精神的な面の面倒は見ない。
そうお話すると、医師からは『芍薬甘草湯』を処方されたことがあり、しばらく継続してみるよう言われたとのことだった。
私も、その意見には賛成である。
漢方では昔から「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉は、「腹が立ったら芍薬を、ペタンと座ってばかりで立つのが億劫なら血流改善の牡丹皮を、歩く姿が弱々しい人には気力を増す百合根を与えよ」と伝えられているのだ。
紹介状を書いてもらったということは診断書なども融通してもらうことができるので、精神科を受診するのは悪いことではありませんとお話した。