「病院で処方された薬がある」「処方された薬を覚えてない」「自己判断で薬を買う」の三点セットに気をつけて

 お客様が、目の周りが乾くとのことで『ワセリン』を購入された。
 眼科医に勧められたそうで、エピナスチン製剤の点眼薬が処方されており、目の周りは痒みもあるというため改めて医師に相談してみるようお話した。
 アレルギーの症状は体の中が冷えていると強く出がちであるため、温めるのに入浴を勧めるとシャワー肌ということから、首回りなど皮膚が薄くて太い血管が通っている場所を重点的に浴びるよう勧めた。
 少しでも長く浴びるためには、シャワーを背中側に浴びて、その間に髪や体を洗うと良いだろう。

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 幼児を連れたお客様から、目薬の『NewマイティアCL』を授乳中に使って良いか尋ねられ、成分としては塩水に過ぎないので大丈夫なことを説明し、疲れ目の回復には、お湯に浸したタオルや蒸気のアイマスクなどで目の周囲を温めるよう勧めた。
 目の血管は細いから、栄養や酸素を運ぶには、血管を開いて血流を良くするのが一番。
 お客様には、薬を購入する前に確認してもらえるのは、こちらとしても嬉しいことを伝えた。
 特に、飲み薬は警戒していても目薬や貼り薬などは油断して、成分によっては血液中に入り、影響することもあるのを知らなかったりするので。

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 お客様が『ムヒこどもかぜシロップSa』を購入されたけれど、患者である子供の主訴は透明な鼻水と咳が少しだけで熱は無いというため、解熱剤の入った風邪薬より『ムヒこども鼻炎シロップSa』にも咳止めの成分が入っていることを説明し提案したうえで、体を温めれば薬は要らないかもしれないと伝えた。
 すると、病院では整腸剤だけ処方されたそうで、それが不満で市販薬をと思った模様。
 整腸剤だけが処方されたということは、医師も他の薬は不要と判断したのかもしれない。
 親として子供を心配する気持ちは分かるのだが、それにしては処方された整腸剤の名前を覚えていないし、お薬手帳も持ってきておらず、誰にも相談しないで薬を買おうとするその感覚が分からない。
 このお客様だけの話ではなく、「病院で処方された薬がある」「処方された薬を覚えてない」「自己判断で薬を買う」の三点セットは、本当に多い。
 私は「レジで他のお客様が並んでいない限り」は声をかけるようにしているけれど、並んでいたら声をかけられないこともあり、たまたま声をかけている範囲で遭遇するだけを拾っみても、もう何度この日記に書いたことか……。
 潜在的には、もっと多いんだと思う( ´Д`)=3

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 子供を連れたお客様が咳で病院を受診し、抗生剤と『麻杏甘石湯』が処方されたものの咳が治らず、喉が締まる感じがすると相談を受けた。
 『半夏厚朴湯』『柴朴湯』を頭に思い浮かべつつも、病院から処方された薬があるのを勝手もできないため、受診したという病院に電話をして状況を伝えたところ、テープ剤の咳止めを処方するので再診を促してほしいと依頼され、お客様に取り次いだ。
 処方されている『麻杏甘石湯』の服用回数を増やすのはどうなのか尋ねてみると、それは良くないと言われた。
 なるほど勉強になります。
 本当は、受診した患者さん自身が病院に相談するのが一番なのだけれど、心理的にも手間的にも敷居が高いのだろう。
 となれば、患者さんと他の医療者との間をつなぐのも登録販売者の役目だと思う。

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