虫除けの薬は天然ハーブの方が安全という誤解

 お客様から虫除けの薬はディードと天然ハーブのどちらが良いか尋ねられ、小学生の子供がキャンプに行くというため効果の高いディードの方を勧めてお買い上げ頂いた。
 ただ天然の物の方が安心というのは誤解で、蚊取り線香で人は死なないように、そもそも人間と虫とは神経の仕組みからして違う。
 無農薬野菜で虫が食べてる物は安全で人間にとっも美味しいという言説があるが、虫と人間では味覚は違うし、人間に毒にならない物で虫の活動を抑制することができる物もあれば、 無視には大丈夫でも人間には毒性を発揮する物もある。
 もし天然の物が安全だというのであれば、毒キノコを食べても大丈夫という話になるはずだが、もちろんそんな訳は無い。
 薬はもちろん食品などの安全性は、その物質の性質と実際に使う量、そしてそれらがどのように体外へ排出されるかということを含めて考えなければ意味が無いのだ。
 私自身はハッカ油の香りが好きで虫除けにも使ってるけど、犬や猫は嫌がるから飼っている人は避けたほうが良いし、ハムスターなどの小動物は死んでしまう危険もある。
 もちろん、人間自身も原液を目に入れたりしたら大変なことになる。
 ええ、目薬と間違えて目に挿してしまったのは私です(;´Д`)
 家庭菜園を愉しむ人が個人的に無農薬栽培をしたいというのならともかく、農家や飲食店、あるいは食品メーカーなどがことさらに無農薬を売りにするのは、専門知識に欠けているか、知っていながら隠しているなら不誠実なことを意味する。
 お客様には、虫除け薬はスプレータイプでも掌に出して、体に塗った方が効果的なことを伝えた。

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 子供を連れたお客様が来店し、子供がアンパンマンの絵柄の『ムヒパッチA』をレジに持ってきて、うちの店には置いてないけれどポケモンの絵柄の『マキロンかゆみ止めパッチ』の方が炎症に強いことを伝えたところ、キャンセルになった。
 虫除けの薬は使っていないというので、怖いのは痒いことではなく病原菌の感染であることをお話して、何かしら虫除けの薬を使うよう勧めた。

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