「またのお越しをお待ちしています」 でも、そのお客様はもう来ない……

 小学生の子供を連れたお客様から『小児用バファリンC2』と『小児用バファリンチュアブル』の違いを尋ねられたので、同じ成分の剤形違いと説明したところ、子供がチュアブルの味を嫌がるとのことで『小児用バファリンC2』を購入された。
 今回の用途は歯痛とのことだったが、解熱剤として使う場合のタイミングは、熱が出ても元気そうなら不要なことと、悪寒がする段階では使うのには早いことをお話した。
 発熱をするのは体にそれなりの理由があって、発熱することでウイルスや菌と戦ったり、血行を良くして老廃物を回収し細胞を再生させる材料を運んだりするので、それを邪魔するというのは体が治そうとするのを邪魔するようなもんである。
 ただし発熱によって体力が奪われるということもあるので、疲れている様子が見られたら熱は下げた方が良い。
 会話の中でお客様は『ムヒのこどもかぜぐすりシリーズ』の風邪薬と鼻炎薬と咳止めを使い分けているというので、それは良いことですねと伝えた。

 高齢のお客様が湿布の『アスコラルL』を大量に購入され、お会計中も終始無言だったのだけれど、何か話したそうな様子に見受けられたので声をかけてみたところ、末期がんとのお話だった。
 『ロキソニン』や麻薬系の痛み止めを使っていることや、抗がん剤の副作用で一時食事ができなかったことなどのお話を、ただ聞くしかできなかった。
 お客様には「また来るよ」と言われ、「お待ちしています」と答えた。

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