手荒れの薬は、昼間はクリームタイプを、夜に軟膏タイプを使うという方法もあります

 若いお客様が『キンカン』をレジに持ってきたけれど、痒み止めの成分は入っていないことを伝えると驚かれ、公園で虫に刺されたというため抗炎症剤のステロイドが入っている『液体ムヒS』を勧めて変更となった。
 別に『キンカン』の効果を完全否定する訳では無いけれど、処方内容からすると灼熱感で痒みを誤魔化す物で、言ってみれば痒いところを叩くと痛みで痒さを紛らわせるような方法と同じだから、炎症が強いケースには対応できない。
 肩こりに使った方が良いように思える。
 ちなみに『液体ムヒS』と同じ内容と思われがちな『ムヒSクリーム』に入っている抗炎症成分は弱いので、やはり注意が必要だ。
 家で刺される蚊ならともかく、野外の蚊に刺されると炎症が強く出がちなので、ステロイド剤の入った痒み止めを用意しておいたほうが良い。
 とにかく、同じ銘柄の薬でも剤形が違うと処方内容も違うというケースは少なくないから、お客様には薬を買う時には店員に声をかけてみるよう勧めた。

 高齢のお客様から『メディクイック』の軟膏とクリームの違いを質問され、軟膏は患部を保護するのが目的で、クリームは有効成分の患部への浸透力が優ることを説明したところ、クリームを購入された。
 よく「ベタつくから」という理由で軟膏を嫌がる患者さんがいるけれど、そのベタつくことが大事で、患部が服と擦れたり、ついつい指で触ってしまうの防ぐためだから、自分で選ぶさいにはその点に気をつけてもらいたいところ。
 例えば、昼間はベタつくのを避けてクリームタイプを使い、夜は患部である手が布団と擦れないように軟膏タイプを使うといった使い分けも考えられる。

 

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