夫婦のお客様が『太田胃散A錠』をレジに持ってきたところで、『太田胃散』と違い健胃剤が少ないことを説明すると、患者はご主人で主訴は食べ過ぎというため、『スクラート胃腸薬』も紹介してみた。
この『スクラート胃腸薬』にしても無印とSとでは処方内容が異なり、普段から食欲旺盛で元気な人が食べ過ぎた場合には無印の『スクラート胃腸薬』が適応し、体質虚弱な傾向か胃が弱っている時に食べ過ぎたという場合には『スクラート胃腸薬S』が向いている。
そして簡易的な鑑別法としては、水を飲んで楽になるかお湯を飲んで楽になるかを確かめてみるという方法もある。
水を飲んで楽になるようであれば胃炎を起こしてる可能性が考えられ無印の『スクラート胃腸薬』が候補となり、お湯を飲んで楽になるようなら胃が冷えているか疲れていることが考えられ『スクラート胃腸薬S』を用いるのが良い。
そこからすると、健胃剤が少ない『太田胃散A錠』は、元気な人の一時的な食べ過ぎに向いていると考えられる。
しかしそう説明すると、奥さんが『第一三共胃腸薬』を選んで購入された。
あれ?
患者本人である、ご主人の判断は?
確かに『第一三共胃腸薬』は効果範囲が広いが、それだけに効き方も浅くなってしまうのだけれど。
お客様から胃薬を求められ売り場を案内したところ、『スクラート胃腸薬』をスッと選ばれたので、念のため『スクラート胃腸薬S』との違いを説明したうえで、お買い上げいただいた。
お客様には胃薬を選ぶのは登録販売者にとっても難しいことをお話しし、水とお湯のどちらを飲むと楽になるかによる鑑別方法を教えたところ、「いい話を聞けました」と言ってもらえた。
でも、肝心の症状の相談はしてもらえなかったんだよね(´・ω・`)
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