舞台役者のように、同じセリフを何度でも

 夫婦のお客様が来店し、目薬の『ロートアルガード』と『アルガード目すっきり洗眼薬α』を一緒に購入されるので、成分は同じと説明したところ、前者はご主人が後者は自身が使うとのことだった。
 花粉症対策だというから、花粉症は免疫機能が異常を起こし害の無い花粉を敵と認識することで、戦うために患部を炎症させ追い出そうと涙や鼻水といった症状を起こすことと、その敵味方の識別は腸がやっていることを説明した。
 だから養生法としては、腸の機能を正常化させ敵味方の識別が正しく行なえるようにすること。
 腸内環境を整える乳酸菌を摂取するのも良いし、食欲があってもガツガツと食べずに胃腸に優しい食事に切り替えるという方法もあり、入浴や下半身に厚着をするというのも良い。
 そうお話すると、「初めて知った」と驚かれた。

 夫婦のお客様が『アレジオン』を購入するさいに使用経験を確認すると、花粉症の予防には毎日休まずに飲み続けるという運用方法をちゃんと知っていた。
 服薬指導を受けても忘れていたり、説明書を読んでいないということが多いので、患者さんには煩わしいかもしれないけれど、こうして確認させてもらっている。
 以前に開発者の方にお会いした時、ネットで「効かない」と書かれるから、販売時には説明して欲しいと言われているし。
 もちろん人間の身体は機械ではないから、その薬が効か無いというのはある訳だけれど、花粉に反応させないのが目的の薬を、雨が降って花粉が飛んでいないからと飲まない日があったり、症状が強く出てから飲むのでは、やはり効果が期待できなくなってしまう。
 またお客様には、花粉症は風邪の原因になるウイルスといった外敵と戦うつもりで花粉に対し攻撃をしてしまうことから起きる症状でであり、防御機能を正常化するためには敵味方の識別をしている腸の働きを助けるのが重要となることをお話した。
 具体的には、腸が働きやすいように入浴をしたり下半身に厚着をして温かく保つことと、腸内環境を整えるために食べすぎや消化しにくい食事を避け、ヨーグルトや漬物などの乳酸菌を摂取できる食べ物を積極的に食べることである。
 その話をしたところ、「初めて知った」と驚かれた。
 既視感。

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