親子のお客様が『バファリンルナ i』と『バファリンA』で迷っていたので気にかけていたところ、前者を購入されるようだったので念のため同じブランドでも成分が違うことを説明したところ、「知らなかった」というため成分表示を取っておくよう勧め、成分によって得意分野も違うことを伝えた。
『バファリンA』とその他のバファリンを同じ薬の、強さの違う物だと思われているお客様は多いけれど、処方内容からすれば縁もゆかりも無くて、『バファリンA』はアスピリン製剤、『バファリンルナi』や『バファリンプレミアム』はイブプロフェン製剤であり、子供用の『バファリンJ』はアセトアミノフェン製剤なんである。
一般にアスピリン製剤は末梢神経に効果があるとされ、虫歯だとか肩こりだとか痛む場所で効く。
一方イブプロフェン製剤は、痛みの発信側と受信側の両方を抑えるので痛み止めとしての効果は高く、化学構造式の似ている『ロキソニン』を好んで使う人は多い。
しかしアスピリン製剤とイブプロフェン製剤あるいはロキソニンは、胃腸障害を起こす可能性がアセトアミノフェン製剤より高い。
だから安全性のうえではアセトアミノフェン製剤の方が良いといえ、比較的年齢の低い子供にも使えるのだけれど、痛みには効いても炎症を抑える効果は少ないとされている。
だから本当は、症状や目的を相談して選んでもらえるのが一番なのだけれど、今回は用途を教えてはもらえなかった。
『キズニコ』を手にしたお客様から、「最近はマキロンは無いの?」と尋ねられたので、医薬部外品の『キズニコ』とは売り場が違うことをお話しして、『マキロンS』と『デシンA』を並べて、それぞれの違いを説明した。
基本となる消毒成分は同じだけれど、消毒成分しか入っていないのが『キズニコ』で、皮膚の修復成分を足してあるのが『マキロンS』であり、傷口の疼きを抑える弱い局所麻酔が入ってるのが『デシンA』なのである。
例えば小さい子供に使うのであれば、傷口の疼きを抑えるのが良いと考えられる。
ただ、浅い傷は水道水で洗えば充分なので、最近ではこの手の消毒薬を使うことは少ない。
使うとすれば水を確保できない場所の場合で、常備しておくのなら抗生物質を用意しておいた方が良いことを話しすると、お客様はハイキングなどで近くに水が無い場合を想定してるようだった。
本日は『マキロンS』を、お買い上げいただくことになった。
そうそう、万能薬と思われがちな『オロナインH軟膏』が、実は消毒薬があることを伝えると驚かれた。
それから、傷口から砂利を洗い流すのには水筒のお茶なのでも良いことを伝えた。
とにかく流すのが先決なので。