薬が「効かなかった」の裏には、用法・用量を守っていなかった可能性も

 外国人のお客様が、人から『カイゲン咳止め錠』を頼まれたというので、処方内容を調べると『麦門冬湯』と現代薬を合わせた物だった。
 あいにくとうちのお店には取り扱いが無く、本人は咳よりも喉の痛みを訴えているようなため、『ベンザブロックせき止め』を紹介すると購入された。
 お客様には、炎症している患部を刺激しないためにも、食事は噛まないで済むスープなどをと伝えた。

カイゲン咳止錠

 お客様から熱い物を食べて喉が痛むというので、それは火傷と同じと説明して、患部を冷やすために『龍角散ダイレクト』と『銀翹散』を案内すると、前者をお買い上げ頂いた 。
 でも2日も前とのことで、対応としては遅すぎる……。

 夫婦のお客様が来店し、ご主人がスマホで『アレジオン』を調べた様子で、その後も迷われていたので案内を申し出て、他の鼻炎薬との比較を説明したうえでお買い上げ頂いた。
 『アレジオン』や『アレグラFX』を購入されるお客様は、どうしても気がかり。
 ネットで何を調べているか分からないが、「効きめ」や「評判」を調べているのなら無意味。
 調べて欲しいのは作用機序、主成分が「体の中で何をやってるか」である。
 『アレジオン』も『アレグラFX』も、花粉に体が反応しないよう脳に働きかけていて、その効能を持続させるためには花粉が飛んでいない日にも欠かさず毎日飲まないと意味が無くなってしまう。
 ネットの書き込みでも「効かなかった」というのを見かけるが、毎日飲んでいたのかについては言及していなくて分からない。
 ただ、店頭で「効かなかった」という患者さんの話を聞くと、たいていは「雨の日は飲まなかった」とか「症状が無かったから飲まなかった」と言われる。
 また、飲んだその日に効いてくる人もいるけれど、作用機序からすると効いてくるまで1週間かかるという人もイて、その間に飲むのをやめてしまうケースもある。
 しっかり効いてくるまで点鼻薬や目薬を併用するか、あるいは漢方薬で補助をする方法や、いったん症状を軽減するために『新コンタック600プラス』や『パブロン鼻炎カプセルSα』などを使って、後から乗り換えるという方法もあるので、そういうことも検討したうえで選んでもらいたい。
 ご主人の主訴は鼻づまりだというから、エピナスチン製剤の『アレジオン』の方がフェキソフェナジン製剤の『アレグラFX』より炎症を抑えるというデータが有り、向いていると考えられる。
 また、鼻づまりは上半身に熱が昇って血流で上手く放熱されていない状態でもあるので、入浴を勧めたところシャワーで過ごしているというので、太い血管が通っている首周りと背中側に集中的に浴びるようお話をした。
 もちろん、腸の働きを助けて体の防衛機構を正常化すると、花粉を敵と誤認して攻撃する花粉症の症状が和らぐので、食べ過ぎに気をつけるようにとも伝えた。

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