やや高齢のお客様から『イブA』が強い薬かどうか質問されたので、鎮痛剤の他に鎮静剤が入っているので眠くなる可能性があることをお話しし、無印の『イブ』は鎮痛剤のみで、ブランドの違う『バファリンルナi』には『イブ』の名前の元にもなっているイブプロフェンと、他の鎮痛成分であるアセトアミノフェンを組み合わせた物であることを説明した。
つまり鎮痛剤というのは、強いとか弱いということよりも、鎮痛成分が単独の物と、鎮痛剤に鎮静剤を合わせた物と、複数の鎮痛剤を重ねた物とがあり、症状や目的に合わせ、さらに体質を考慮して選ぶ物なんである。
すると、「1錠で効けばそれで良いのか」と訊かれたので、単純に量を減らしてはいけない薬もあるものの、鎮痛剤ならば良い判断と答えて、なおかつ効かないからといって自己判断で増やすのは好ましくありませんと付け加えた。
なにやら病院でビタミン剤を処方されているらしいと分かり、『イブA』をお買い上げいただいたので、成分表示をお薬手帳に貼って、お薬手帳を持ち歩くよう勧めた。
そうしたら「ビタミン剤しかもらっていないし」と言われたけれど、その情報こそが大事なことをお話しした。
例えば出先で事故に遭い気を失っている場合、救急隊員が身元確認のためにお薬手帳を見つければ、心臓疾患などの持病を抱えていないということが分かって、処置を始めやすくなる。
緊急時の処置の早さは、救命率にも影響することである。
繰り返すが、大病をしておらず健康な人も、それを示すためにお薬手帳持ち歩いた方が良いのだ。
そう力説したら、「主人にも言っておくわ」と言ってもらえた。
お客様が酔い止めの棚で迷ってるようだったので声をかけたところ、比較的眠くなりにくい『センパアQT』を選ばれたため、必ず酔ってしまう場合には眠くなりやすい物を使うという方法もあることをお話しした。
酔い止め薬にも種類があることを知らなかったとのことで、海外へ行くのに持っていくというため、飛行機で使うのならば眠くなってしまった方が良いだろうし、行った先のバスなどでの使用を考えている場合には眠くなりにくい物が良いででしょうとお話しした。
それから、海外に持っていく薬の選び方の一つとしては、向こうで入手しにくい物を用意するのが良いので、食あたりの下痢に備えて『正露丸』と、風邪にも胃腸炎にも使える『柴胡桂枝湯』を紹介したが、外食はしない予定とのことだった。
また、動植物などによって皮膚が炎症した場合に備えてステロイド剤と、ちょっとした怪我でも衛生面が日本とは違うから抗生物質があった方が良い事をお話しし、両方を合わせた『クロマイP軟膏AS』を案内したところ、虫除けの『ムシペールα』と一緒に購入された。