夫婦のお客様が風邪薬の棚で『パブロンSゴールドW』を手にしたところで案内を申し出てみたけれど、断られた。
常備薬にするというから、咳の無い時に咳止め成分を摂ることの身体的リスクや、風邪をひいたからといって複数の症状がいっぺんに出ることは少ないので、症状別に「鎮痛剤」と「咳止め」と「鼻炎薬」をバラバラに備えておいた方が対応しやすいことをお話ししたのだけれど、夫婦揃ってこちらを見てもらえなかった。
完全無視である。
うーむ、私が休憩に入る時間が迫っていて、今日は交代要員がいないから焦った言い方になったのが良くなかったのかもしれない。
案内を申し出たのも、この時間に休憩に入らないと後は混雑時間になってしまうから、早めにお会計までこぎつけたいという私の方の事情だったので。
余裕の無い体制は、お客様にとっても良くないと思うんだけど人員が補充されない……。
若いカップルのお客様が『ハイチオールCプラス2』を購入されるさいに、これから飲み会に行くというので、この薬が二日酔い対策にもなることを伝えると驚かれた。
アルコールが肝臓で代謝されて作られるアセトアルデヒドには毒性があり、これが二日酔いの主な原因とされている。
毒性があるというと怖いと思うかもしれないが、そこは人間の体の凄いところで、さらに酢酸に分解されると全身を巡る過程で筋肉組織や脂肪において二酸化炭素と水に分解され、息や尿となって体外へ排出される。
つまりアセトアルデヒドは処理途中の一形態であり、問題となるのは最終処理までの過程で体内に留めおかれている時間。
そして『ハイチオールCプラス2』に含まれているL−システインは、皮膚の材料になるとともに有害物質を吸着して体外に排出させる作用もあり、アセトアルデヒドを早く分解するのを手伝ってくれるのだ。
お肌を健やかにしたい呑んべえにとっては、兼用できる便利に薬という次第。
ただし、そもそもアルコールはお肌に良くないし、肌の瑞々しさは体内の水分量が関係するため、水分を排泄しやすくしてしまう点においても、アルコールはやっぱり体に毒なんである。
お酒は、ほどほどに。