お客様から『正露丸』の「匂いのしない物を」と希望され、『セイロガン糖衣A錠』を案内したうえで普通の『正露丸』との違いや、大幸薬品と他社製品との違いを説明した。
『セイロガン糖衣A錠』は『正露丸』から、鎮痙攣成分と抗炎症成分を抜いた処方なので、シクシクとした痛みへの効果が弱いと考えられる。
また、腸には味覚も嗅覚もあり、あの独特の匂いも効果のうちなのだ。
そして『正露丸』は下痢止めとして知られているが、食中りの場合には原因となっている悪い物を早く排泄した方が良いから、下痢をピタリとは止めないよう処方されている。
しかし、下痢止めとしての認知度が高いことから、大幸薬品以外の『正露丸』には、胃腸の機能を落として下痢を止めるロートエキスの入った物もある。
だから実は、同じ名前の『正露丸』でも製品によって使い分けがあるのだ。
今回のお客様は、食べ過ぎると下痢になりやすいとのことで、昔は『赤玉』を使っていて「良く効いた」というため、同じ処方の『エクトールDX』を紹介したところ、そちらをお買い上げ頂いた。
お客様から「置き薬はもう無いんでしょ?」と訊かれ、「あります」と答えたものの連絡先については知らない。
ううむ、調べておいた方が良いだろうか。
以前に指の痛みに、私から『バンテリン』を勧められ使っていたというお客様が来店し、今回は手の甲の痛みに『サロンパス』で良いかと相談された。
『サロンパス』や『トクホン』の主成分のサリチル酸は弱い刺激によってマッサージするような効果があり、だから肩こりや筋肉痛などに向いている。
鎮痛を目的にするのであれば、フェルビナク製剤を使うかインドメタシン製剤の『バンテリン』の継続を勧めたところ、本日はお帰りになった。
また、お客様には「よろしければ薬箱を拝見いたします」と伝えた。
家にある薬が使えれば、無駄に買い物をせずに済むので。