救急箱の薬は解熱鎮痛剤だけでイイ!? もっと必要な物があります

 若い女性のお客様から、悪阻(つわり)の相談を受け『半夏厚朴湯』を案内したうえで主治医は決まっているのか尋ねててみると、決めてはいないものの一週間後に検診に行くというので、『小半夏加茯苓湯』も紹介し、医師に相談するよう勧めた。
 7週目とのことだから、確かに悪阻の始まる時期。
 同時に胎児が変化してきてる時期でもあるから、医師と相談してから使った方が良いだろう。
 どうしてもつらければ、検診まで待たずに受診するようにも伝えた。
 本当は先に、悪阻だけでなく体調が悪くなった場合の対応について、医師に相談しておくのがベストではあるのだけれど、初めての体験ではそこまで気が回らないよね。

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 お客様がレジに『キズニコ』を持ってきたけれど、成分が消毒剤のみで良いのか確認して、『マキロンS』と『デシンA』も案内した。
 主成分のベンザルコニウム塩化物は共通しているが、『キズニコ』は指定医薬部外品なので絆創膏などの衛生用品のコーナーにあり、他の2つは第3類医薬品なため消毒剤のコーナーにあって、本当は『マキロンS』を探していて見つからず『キズニコ』を買う人がいるんだよね。
 私は念のため声をかけて確認するけど、レジが混んでたりお客様自身が急いでるオーラ全開だと声をかけ損なってしまう。
 それに消毒薬にも種類があるから、最初に尋ねてもらえると良いんだけどな。
 この3つの違いに戻れば、消毒成分に皮膚の再生を促す成分を足したのが『マキロンS』で、消毒成分に弱い局所麻酔成分を加えてあるのが『デシンA』である。
 お客様は、幼稚園の救急箱に備えるというため、傷口の疼きを抑える『デシンA』を勧めてお買い上げいただいた。
 そして、救急箱の中身の相談にも応じますと伝えた。
 実のところ、小さな傷は水道水で洗い流せば消毒薬は不要。
 遠足などで、水が確保できない場所に行くときにあると安心程度だから、家での救急箱には傷口の化膿に備えて抗生物質があったほうが良い。
 それと、救急箱というと絆創膏の他に総合風邪薬や下痢止めをと考えがちだが、実はそれらの薬も不要。
 風邪は自然に治るモノだから発熱や喉の痛みに対応する鎮痛剤があれば、初期の応急処置としては充分で鼻炎薬や咳は発症してからでも対応は可能だし、下痢は出先ならともかく家では早く排泄して腸を空にしてしまう方が体のためである。
 むしろ救急箱に必要なのは、風邪などの感染症対策のための使い捨て手袋とビニール袋だ。
 これはそのまま、大規模災害などでの避難時にも役に立つ。

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